アトピー性皮膚炎の 改善は 睡眠から |
- 眠ろうとすると かゆみが増して眠れない
- 眠ろうとして布団に入ったものの、かゆみを感じて眠
れない人も多いようです。これは布団に入ることで体が
温まり、血管が拡張し、かゆみを感じやすくなるから。
また、体の機能が低下していると体温調節がうまく働か
ず、体のほてりが抜けなかったり、急に汗をかいたり、
また逆に強い体の冷えを感じたりして眠れないという人
も多くいます。ア
トピー症状がひど
い人では皮膚の炎
症が熱を持った
り、痛みが激しく
てなかなか寝つけ
ないというケース
もあります。
対策
寝具や寝間着をなるべく 汗がこもらないタイプの ものを選ぶなど、工夫し ましょう。 また、寝る前の入浴時間にも注意を。 就寝直前の入浴は、体温の低下が遅 くなり入眠しづらくなることがありま すので、遅くとも就寝の2時間前に は入浴を済ませるようにしましょう。
- 生活が昼夜逆転している
- 皮膚の炎症を抑えたり回復させるために働く
「副腎皮質ホルモン」は、午前4時〜7時
頃に分泌のピークを迎えます。夜中じゅうか
ゆみで眠れないという重症のアトピーの人も、
この時間帯は比較的調子よく過ごせるように
なり、かゆみも減ってきます。そのため、明
け方になってやっとウトウトと眠り始め、起
き出すのは夕方……という「昼夜逆転」の生
活になりやすいものです。
症状が重い場合は「眠れるときに眠る」生
活で、まずは体を休めることが大切です。次
の段階では徐々に生活を戻していくことを考
えましょう。
対策
昼夜逆転は、内分泌 の関係からも、できる だけ改善できるように目指しま しょう。 一つの方法としては「昼に寝ない」 という方法がありますが、著し く体力を落としている場合には、 逆効果になることもあります。場 合によっては、専門医の指導の もと、体調管理を行いながら取 り組むようにしましょう。
- 睡眠中、無意識に かきすぎてしまう
- 意識があれば「かくのはちょっと我慢しよう」「爪
をたてずにやさしくかこう」などと考えられます。
しかし眠っている間の行動には制限がないので、無
意識にかいて目覚めたときには血がにじんでいた…
ということも珍しくありません。
特に子どもはかき壊し
やすいので、爪を丸く
短く切ったり、寝る前
にミトンをはめるのも
よいでしょう。かゆみ
が強い時は、目を覚ま
したときにケアしてあ
げましょう。
対策
寝ている間は、無意 識の行動が多くなり、 掻くことを制限するの が難しいことも多くなります。掻 いても傷が深くならない工夫を まずは行うと良いでしょう。
- 寝汗をかくので 寝具がグッショリ
- 通常、睡眠中は健康な人です
と一晩に約200
ml
の汗をかく
といわれ、たくさん水分をとっ
たり運動不足のときには、より
多くの汗をかいています。
アトピーの人で寝汗が多いと
感じる人もいるようですが、こ
れは体の体温調節機能が不安定 になっていることや、ホルモン
バランスの乱れなどが原因と考
えられます。また甘いものを食
べたりお酒を飲んだ後は、糖を
代謝するために働いて汗をかき
やすくなります。寝汗でかゆみ
が増すのも、アトピー肌には辛
いものです。
対策
基本的な対策は、「眠ろうと するとかゆみが増して眠れ ない」と同じく、就寝時の体温調整 に対する工夫を行うようにしましょう。 また、入眠前に過剰な水分摂取をする ことも避けると良いかもしれません。 ただし、一切、水分を取らないことは 逆効果ですので注意しましょう。
- 眠りが浅く、 何度も目が覚める
- 寝入るときは脳の眠りである「ノ
ンレム睡眠」が次第に深くなり、
やがて体の眠りである「レム睡眠」
が訪れ、これを数回繰り返すのが
通常の睡眠のパターンです。この
リズムが狂うと、眠りが浅いと感
じたり寝起きがすっきりしないよ
うです。
かゆみで目覚めたり、テレビの
音や明かりなどが刺激になって脳
の眠りが妨げられ、何度も起きて
しまうケースもあるようです。
対策
就寝時の環境に工夫を行いましょう。 個人差はありますが、暗闇にして寝る よりも、豆電球などでわずかな光をつ けておくと、安心感から眠りのリズムが良くなる ケースもあるようです。また静寂な環境はできる だけ心がけると良いでしょう。
- アトピー性皮膚炎の方は、さまざまな理由により、 入眠や睡眠の質が低下しがちになります。それら を放置しておくことは、結果的に「自分の体で痒 みをコントロールする」ことが難しい状況を継続さ せやすいので、自分の睡眠で何が「弱点」なのか は、しっかり把握して対策するようにしましょう。 分かりづらい点や睡眠でお悩みのことはお気軽に アトピー相談室までご相談ください。