お肌の 冬の準備を 始めましょう |
- 冬に向けた アトピーケアの注意点
-
大気の乾燥が始まると、角質層の水分は蒸散しやす
い状況になって、お肌の乾燥が始まります。
特に、角質層の細胞間脂質で水分を保持するセラミ ドやフィラグリンなどが少ない人は、蒸散の量が多く なり、痒みを知覚する神経線維が角質層内に侵入する ことで痛みを感じやすくなります。
そこで、寒くなり始めるこれからの時期、角質層に 対する水分の補給と保持、そして蒸散を軽減させる対 処を行っていくことが必要です。
- 保水はお肌を「濡らす」感覚で!
-
角質層に対する水分の補給は、ローションやジェル、
温泉水などで「保水」を行うことが基本です。
ただ、気をつけて欲しいのは、アトピー性皮膚炎の
方の場合、皮膚に水分を留めておく因子が不足してい
る方が多く、アトピー性皮膚炎ではない「乾燥肌」の
方よりも、はるかに多い水分量を与える必要がありま
す。
アトピー性皮膚炎の症状が悪化する原因の一つは、 この「適切な水分補給ができていない」というケース です。 お肌が「湿る」、という感覚ではなく、お肌を「濡らす」 ぐらいの感覚で保水を行うようにしてみましょう。
- ジェルの重ね塗りが最強
-
ローション系のアイテムは、ほぼ水分ですので、お
肌に留めることが難しく、流れ落ちないように気をつ
けて塗ると、それほど多くの水分量を与えることはで
きません。
保水の量を増やすには、ローション系よりもお肌に
留めて伸ばすジェル系のアイテムの方が適していると
いえるでしょう。使い方はたっぷりの量を、丁寧に塗
り込み、それを2〜3回くり返す方法が効果大です。
ローション系のアイテムの方が良い方は、コットン などを使った「パック」を行ってみると良いでしょう。 コットンを塗布する目安は5分〜15分ぐらいで調整してみましょう。 また、保湿成分や有効成分が含まれた「シートケア」 と併用すると、角質層の水分量を効果的にためること ができます。
- ローション系なら 頻度を多くが鉄則
- 顔や首、手など、露出した部位は、大気の乾燥の
影響を受けやすく、ムズムズ、チクチクした違和感
お肌の
冬の準備を
始めましょう
冬に症状が悪化するアトピー性皮膚炎の方は多くおられますが、
悪化のもっとも主な原因は「乾燥」にあります。
冬を前に、お肌のコンディションを上げておくために必要なケア
を考えてみましょう。
6
がある場合には、保水する回数を増やすようにしてみ
ましょう。
また、寒い時期、ローション系アイテムは皮膚に塗 布するとひやっとすることがありますが、その場合は、 いったん手のひらに移してから使用するなどしてみて ください。なお、アトマイザーをお使いの方は、少量 用のボトルにして、体温ほどに温めて使用するのも良 いでしょう。
- サプリで保水を高める
- 角質層内の細胞間脂質の中に、水分を留めておく成
分がアトピー性皮膚炎の方は少ないことが、以前から
研究により分かっています。最初に注目されたのはセラミドでした。
ある研究によれば、アトピー性皮膚炎の方の8割程 度に角質層のセラミドが不足した状況が見られたそう です。
化粧品の原料でも、セラミド、あるいはセラミド様 物質は、いろいろとありますが、基本的にセラミドは 高分子のため、角質層のバリアを抜けることは難しい 成分です。
最近はナノカプセルを使い、真皮にセラミドを届け るようなスキンケア成分もありますが、そもそも、皮 膚で必要なセラミドは6種類ほどあり、化粧品に配合 された「セラミド」は、擬似セラミドであって皮膚の セラミドを完全に補完することはできません。 角質層内のセラミドを補完するために必要なのは、自 分の体で「セラミド」を作り出せるようなサポートを 行うことです。
これは、数年前に京都大学が発表したセラミドと同 じ水分保持の働きを行う、フィラグリンも同様です。 約半数のアトピー性皮膚炎の方が不足していることが 分かっています。 基本的に、こうした角質層内の水分を保持するため の働きは、化粧品よりもそうした機能を持つサプリメ ントの方が適しているでしょう。
- うるおいを保つ基本は たっぷり保水の後、油分でふた
- アトピー性皮膚炎で乾燥した肌は、例えると「砂漠」の状況です。
少々の水を撒いただけでは、すぐに吸収されて乾燥
がなかなか改善しません。
ジョウロでチョロチョロと水をかけるの
ではなく、バケツで大量の水を撒くことが
必要になるのです。
そうして大量に与えた水分の蒸散を少 しでも遅らせるために、油分の膜で皮膚 を覆うことが大切です。
油分はバリア機能の一部として機能し ますが、ここでは、蒸散を遅らせること が目的ですので油分の膜は薄くても構い ません。