アトピー克服体験記 |
- 森 春奈ちゃん(1歳)
森さんご一家の宝物は亮介くん、春奈ちゃん、淳一くんの3きょうだい。 コロコロ遊ぶ元気な姿はご両親やおじいちゃん、おばあちゃんの笑顔の元です。 何でも食べて、自然にすくすく育ってほしい――。 「アトピー」も「ステロイド」も知らなかったお母さんが、 亮介くん、春奈ちゃんのために猛勉強。 同じ思いでご家族が選んだのはオムバス式温泉湯治でした。 |
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森 春奈ちゃん(1歳) | |
顔以外の皮膚は全体に硬くごわついている。肩から胸にかけてうす赤く炎症を起こし、足もざらついて赤くなっている。撮影中もずっと掻いていた。 |
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- 「一人目のときは、子どもは産めばスーッと育つものだと思ってたもんで(笑)」
新米ママだった頃の自分を思い出し、今は余裕の笑顔を見せる森尚江さん。同じ県内から森家に嫁ぎ、生まれた待望の長男が亮介くんでした。しかし、初めての子育ては予想を裏切り、思うようにならないことの連続だったといいます。
脂漏性湿疹に水疱瘡、風邪を引いては小児科と行ったり来たり。「アトピー」という言葉を初めて聞いたのは、亮介くんが生後10ヵ月のときでした。 「治らないって言われてショックでしたね。ステロイドのこともよくわからなくて、薬は言われるがままに使いました」
アトピーには何種類もの軟膏やローションを使い、そうこうするうちに気管支喘息が出現。毎朝晩の吸入薬が加わります。泣けばミルクを戻し、走れば咳き込む弱々しい我が子。ご両親は、長距離走ができるのか心配だったといいます。
- 二人目もアトピー!?途切れない病院通い
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「私がいけなかったんでしょうね。生活習慣もそうだし、うまく気分転換できれば良かったんだけど、どうしても内にこもっちゃうというか…」
原因は、母親の私にある――。考えれば考えるほど、尚江さんは自分を責めるしかありません。おじいちゃんおばあちゃんはもちろん、親戚や隣近所までが心配し、さまざまなアドバイスをくれるのですが、そのたび尚江さんの肩にはズッシリと重いものが。当時、夫の弘行さんは夜勤や消防団の活動で家を空けることが多く、相談や愚痴を聞いてもらうこともできませんでした。 「産んだ直後にまじまじと顔を見ちゃいましたね、この子はどうかなって。女の子だし、余計にショックでした」
春奈ちゃんが誕生したのは、亮介くんが1才8ヵ月のとき。初対面のイヤな予感は的中しました。オムツかぶれを起こし、耳の下が切れ、顔を掻きむしり…。生後3ヵ月のときには、ステロイドを塗り、かゆみ止めを内服する生活が始まっていました。春奈ちゃんに喘息の兆候はありませんでしたが、アトピーの強さはお兄ちゃん以上。亮介くんの症状が少しずつ軽快する一方で、春奈ちゃんの炎症は拡大、定着していきます。