グリチルリチン酸にご用心! |
- ステロイドと同じようにリバウンドの危険性がある
- グリチルリチン酸がアトピー性皮膚炎の症状に有効で、同時に危険なのはなぜでしょう? それはステロイドに似た「免疫を抑制する作用」があるからです。
グリチルリチン酸(甘草)には、体内で作られる副腎皮質ホルモンの一つである鉱質コルチコイドと、同様の働きがあります。
アトピー性皮膚炎の治療に使われるステロイド剤は、体内で作られる副腎皮質ホルモンを人工的に合成した薬剤。ステロイド剤には免疫抑制作用がありますが、グリチルリチン酸にも同様で、かゆみや炎症を抑える効果があります。したがって、グリチルリチン酸を長期間連用すれば、ステロイド剤と同じようなリバウンド症状を引き起こす危険が考えられます。
- 抗炎症効果をうたえる好都合な成分
- 副腎皮質ホルモンは、医薬品でしか使用できない成分ですが、甘草やグリチルリチン酸は、化粧品などに配合することが可能です。副腎皮質ホルモンと類似の作用を持っているので、メーカーにとっては「抗炎症効果」をうたえる好都合な成分となっています。
このような事情で、アトピー性皮膚炎に勧められているスキンケアアイテムには、グリチルリチン酸が配合されることが多くなっています。お使いのスキンケアアイテムの全成分を一度チェックして、グリチルリチン酸が配合されていないか確認するようにしましょう。
- 洗浄系アイテムは配合量が多いので要注意
- グリチルリチン酸は、シャンプーやボディソープ、石鹸など洗浄系のアイテムや、入浴剤に配合されている場合もあります。傷がない状態での経皮吸収は少ないため、健康な皮膚への影響は少ないと思われます。
しかし、アトピー性皮膚炎の場合は注意が必要。特に洗浄系アイテムは、洗い流すことが前提だから配合割合も多く、ダメージを受けた皮膚には、スキンケアアイテムよりも影響が強い可能性があります