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- 「ドクターミトン かゆいっこ」は、あとぴナビ通販の“息の長い人気商品”。 なぜ“ドクターミトン”なのかと言えば、ドクター(大阪府済生会中津病院免疫・
アレルギーセンター部長代理 末廣豊先生)が完成させたものだから。
25年前、アトピー性皮膚炎(以下、「アトピー」)で入院している子どもたちのために
同病院の看護師さんたちが愛情を込めて手作りした、夜用のかきむしり防止の
ためのミトンが「ドクターミトン かゆいっこ」の原形だそうです。
素材を何にし、構造をどう進化させていくことで、アトピー治癒に真に効果的
になるか、ドクターが、患者さん・看護師さんとタッグを組んで、2 年の月日を
かけて改良を繰り返し完成させた愛あふれるミトンなのです。
末廣先生のもとを訪ね、このミトンの特徴、アトピー治癒への効果、そして、アレルギーを 発展させないために知っておきたい「皮膚とアレルギーの関係」についてお話をうかがいました。
- 「上手に掻かせてあげたい」 傷がつきにくい、 こだわりの構造
- このミトンの最大の特徴は「二重構造」に
あります。
「看護師さんが手作りしていたときに頑丈に
しようと二重にしたのが始まりですが、2枚
の生地を使えば、ひょっとしたら手袋の中で指
を空滑りさせることができるんじゃないかと
思ったのです」(末廣先生)
外側を滑りやすい生地にすることでより指 が空滑りし、アトピーでもろくなった肌バリア を傷つけずに、しかも「掻く」行為が行える 満足感も与える構造です。
「よく『掻いちゃダメ!』と叱るお母さんが いますが、その言葉がメンタルストレスになり、 余計にかゆみを増大させるケースがあります。 掻いても傷がつきにくいことのほうを大事にしたい、そのための手袋を 作りたかったのです」
手袋の内側の生地には 天然の保湿・抗菌成分「キ チン・キトサン」が練り 込まれた「クラビオン®」 を使用。皮膚に黄色ブドウ球菌を増やさないた めの工夫です。
「黄色ブドウ球菌はかゆみを増やす毒素を出 し、アトピーの悪化につながっています。悪さを する菌をどうすれば減らせるかを考えました」
- アトピーは、 掻くと必ず悪くなる
- 「かゆいというのはとても悩ましい問題です」
と末廣先生。掻きたい欲求を我慢でこらえるの
は、特に子どもたちにとっては難しいことです。
「掻いちゃダメ!と言っても無理です。でも掻いて皮膚バリアが障害されてしまうと、アト ピーは必ず悪化してしまいますから、掻き傷防 止に役立つ手袋を目指しました。掻いた衝撃を 皮膚に伝わらないように掻かせてあげられる、 そんな手袋です」
人間の皮膚の表面はわずか10ミクロン(たっ たラップ1枚分程度)の薄い上皮に覆われてい ます。薄いけれども外敵の侵入を防ぐ、大切な よろい。アトピー肌は、このラップ1枚分のよ ろいのあちこちが破けている状態で、ウイルス や細菌、アレルゲン などを体内に取り入 れてしまっています。
「アトピーの人の上 皮はバリア障害を起 こしやすく、アレル ギーになりやすい不 利な状態です」

- 皮膚を強くして アレルギーマーチを予防
「掻き壊さずに皮膚表面をいかに丈夫に保つ かが、アトピーの治療に最優先される課題です」
こう末廣先生がおっしゃるのには、「最近、ア トピーや乳幼児湿疹の考え方が大きく変わって きた背景がある」からなのだとか。これまでは 食物アレルギーからアトピーに発展すると考え られていたアレルギーマーチの順が、最近の論 文などで覆されてきたのだそうです。 「守るべきはまず皮膚のバリアだと分かって きました。皮膚をきれいに保ち湿疹をゼロにす れば、食物アレルギーやダニ・花粉のアレルギー も起こさず、喘息も防げると分かってきたので す」
アレルギーマーチを断つ鍵は皮膚表面にあっ たのですね。「掻き壊したくない。でも掻きたい」 を両立させる理想の手袋が「ドクターミトン か ゆいっこ」。最新の理論にもピッタリ合ったもの だとわかります。
「皮膚に傷がつくとバリアが壊され、ばい菌 が増えます。それがアトピーを悪化させます。 いかに副作用を出さずにその状態をよくするか を考えると、この手袋は効果的だと言えます」 実際、済生会中津病院では何年も前からアト ピーの入院患者さんたちが主に就寝時に使用し 効果を見せています。
皮膚のバリア機能を維持できれば、その後の アレルギーが進まない--、スタート地点をガッ チリ守るミトン。お子さんには「これをはめて いたら掻くのを我慢しなくていいよ」と優しく 言ってあげてくださいね。
