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こんにゃくから抽出したセラミド




監修:向井克之
ユニチカ中央研究所グループ長
東京工業大学理学部卒業。セラミドの皮膚へ の作用などを中心として、美容食品素材・化 粧品素材の開発に日々取り組んでいる。

  • 昨年11月のセラミド研究会学術集会で、画期的な研究発表(ユニチカ中央研究所による)がありました。 食品として摂取したこんにゃく芋から抽出したセラミドが皮膚のセラミドを作りだす仕組みが、 一部解明されたのです。
    食品中のセラミドが肌の状態をよくするという実験や試験結果の発表は これまでにもありました。しかしその仕組みまでが明らかとなったのは、今回の研究が初めてなのです。
  • セラミドとは
  • 今回の研究について説明する前 に、まずセラミドについて簡単にお さらいしておきましょう。  
    人の皮膚の一番外側は表皮と呼ば れています。その表皮の一番外側、 外界と接している部分を角質層とい いますが、角質層の細胞間のすき間 を満たしているのがセラミドなどの 細胞間脂質(簡単に言えば油)です。  
    角質層内におけるセラミドには2 つの働きがあります。
    【水分保持】
    体内にある水分を外へ出さない働 き。セラミドは肌の保湿に役立って います。
    【バリア機能】
    外部の刺激から体を守るバリアの 働き。セラミドは細菌やウイルス、 様々なアレルゲンなどの異物の侵入 を防止します。
  • アトピーセラミド


  • 角質層の角質細胞とセラミドなど の細胞間脂質は、よくレンガとモル タルの関係で例えられます。レンガ のように角質細胞が積み重なり、そ のすき間をセラミドなどのモルタル が埋めることによって、肌の健康が 保たれるわけです。  しかし、角質層にセラミドが少な いとどうなるでしょう。モルタルが 少ないとレンガが崩れてしまうよう に、セラミドが少ないと角質細胞が 不安定ではがれやすくなってしまい ます。  セラミドが少ないと、肌の水分は 失われやすく、うるおいがなくなり乾燥肌に。さらに肌のバリア機能も 低下するので、ウイルスやアレルゲ ンなどが体内に侵入しやすくなりま す。  アトピー性皮膚炎の患者さんは、 症状が出ている部分も出ていない部 分でもセラミドの量が減少している という報告があります。よって、セ ラミドを補うことは、アトピーや乾 燥肌の症状改善に有効です。


  • 表皮セラミドはどのように増える?


  • 皮膚にセラミドを補う方法はいく つか考えられますが、今回の研究は、 食物として摂取した場合の話になり ます。  
    セラミドは様々な食品に含まれて います。植物性セラミドの含有量が 多いのはこんにゃく芋、他には小麦、 米、とうもろこしなどにも含まれて います。  
    これらの食物を食べると、食物中 のセラミドはそのまま皮膚のセラミ ドになるのでしょうか? 答えは NOです。同じセラミドでも、食物 と皮膚のセラミドでは構造が少し 異なっていて、食物からセラミドを 摂っても、直接皮膚のセラミドにな るわけではありません。ではどのよ うな仕組みで肌のセラミドが増えて いくのでしょう?  
    このことを解明するために、今回 の研究は進められました。そしてこ んにゃくのセラミドを使った実験の 結果、食物中のセラミドを摂取して から皮膚の表皮セラミドが増加する までの仕組みの一部がわかったので す。
  • 表皮セラミド体内で作られる


  • 実際はもっと複雑ですが、その仕 組みを簡単に説明すると以下のよう になります。  
    セラミドの含まれる食物を食べる と、腸管に吸収されたセラミドは、 糖・脂肪酸・スフィンゴシン(長鎖 アミノアルコール)の3つに分解さ れます。糖や脂肪酸は他の食品から も摂取されるものですが、ここで大 切なのは、スフィンゴシンという耳 慣れない分解物。このスフィンゴシ ンが皮膚に到達すると、セラミドの 産生を促進させ、表皮セラミドを増 やすのです。  
    この実験結果は、一つの大切な事 実を示しています。それは、食品中 のセラミドはそのまま皮膚のセラミ ドとして補給されるのではなく、自 分の体でセラミドを作る力を促進さ せていること。このような仕組みが 体に備わっているということは、セ ラミドが生体にとって非常に重要な 働きを持っていることを示している と言えるでしょう。
  • 食物セラミド Q & A

  • 食品として体に補充するセラミドには、動物性、植物性、 合成のものがありますが、現在は安全性やヘルシーなイ メージなどから植物性セラミドが主流です。
    植物性セラミドは、こんにゃく芋、米、小麦、大豆、とう もろこし、砂糖大根(ビート)などから抽出した加工食品 が一般的です。中でもこんにゃく芋は、セラミド含有量が 他の食品に比べて断トツに多いことがわかっています。


    生いもこんにゃく(芋をそのまますりつぶしてできる昔な がらの製法のこんにゃく)100 ~ 150g くらいの中には 十分な量のセラミドが入っていると言えますが、こんにゃ くは基本的に消化されないので、ほとんどそのまま排泄さ れてしまうと考えたほうがいいでしょう。
    米や大豆などほかの食品では、相当量食べないと十分なセ ラミドは摂取できないので、抽出されたセラミドを摂取す るのが効率的と言えます。


    米や小麦、大豆などはアレルゲンとなる可能性のある食品 です。また残留農薬や遺伝子組み換えの心配もあります。
    その点、こんにゃく芋(サトイモ科)は、1000 年以上 昔から食べ続けられている日本の伝統食。アレルギーや遺 伝子組み換えの問題がないので、残留農薬の規制をクリア した製品を選べば安全です。


    こちらもこんにゃくセラミドによる実験ですが、生体内で 分解されたスフィンゴシンは、真皮の繊維芽細胞に作用し てコラーゲンも増やすことがわかっています
    こんにゃくセラミドは、表皮でセラミド、真皮でコラーゲ ンというダブルの作用で美容効果を発揮すると考えられて います。









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