あとぴナビ/スペシャルインタビュー |
取材・文/大石久恵、撮影/橋詰芳房 |
PROFILE 1985年、愛知県生まれ。2006年6 月「第1回インターネット美女コンテ スト オスカー賞受賞」。以降演技 等の強化レッスンを受けながら、雑 誌、CMなど幅広く活動。2010年3 月に首都大学東京 都市教養学部を 卒業し、本格的な芸能活動を開始 する。2010年4月「絶対零度~未解 決事件特命捜査~」にレギュラー出 演。趣味は映画鑑賞、ショッピング、 水泳など。 |
- 「第1回インターネット美女コンテスト」で入賞後、4年間の強化レッスンを経て、テレビドラマ初出演を果たした齋藤めぐみさん。 芸能人としてのスタートラインに立ったばかりの齋藤さんに、女優を夢見て東京の大学を受験し直したエピソードや、 ドラマの現場で感じたことなどを伺いました。目標に向かってひたむきに頑張る新人女優さんの等身大の素顔を紹介します。
-
ドラマ出演は初めての経験。『やっ
と自分を試すことができるチャ
ンスが来た!』と、うれしく思
いました。初回の撮影時は緊張しました
が、出演者の先輩方やスタッフもやさし
くて、今ではだいぶ慣れてきました。私
の役柄はちょっと不思議な感じの女の子
ですが、自分とは全然違うタイプなので、
演じるのがとても楽しいです」。
今年4月から放映された上戸彩さん主 演の刑事ものドラマ「絶対零度〜未解決 事件特命捜査」(フジテレビ系)にレギュ ラー出演した齋藤さんは、この春大学を 卒業したばかり。芸能界に入ったのは、4 年前の「第1回インターネット美女コンテ スト」入賞がきっかけです。
当時は地元名古屋の大学に通っていま したが、「芸能界の仕事をするために東京 に行きたい」「そのためにも東京の大学を 再受験しよう」と、大学再受験の準備を しながら芸能界の登竜門となるコンテス トに応募。「絶対に両方とも合格してみせ る!」と強い信念で、ダブル合格を果た しました。
- ●●● 夢を実現させるために親に内緒で大学再受験
-
女優になるために東京に出たい。そう 考えていた齋藤さんは、ご両親から「東 京に進学するなら国公立以外はダメ。私 大に行く場合は地元で進学すること」と 申し渡され、芸能界に入ることも反対されていました。 「東京の国公立に合格できなかったから、 とりあえず名古屋の私大に進学しました。 でも、やっぱりあきらめきれなくて……。 自分でアルバイトして生活費や受験費用 を稼ぎ、翌年もう一度東京の大学を受験 する決心をしました」。
それからは、大学に通いながら受験勉 強に励みます。親に内緒で受験する費用 を貯めるために、塾講師のアルバイトを 3つ掛け持ちしたこともありました。「身体的にはきつかったけれど、自分がやり たいことだから乗り切れたんですよね」。 そして、芸能活動への第1歩として、受 験と同じ時期に開催される「インターネッ ト美女コンテスト」に応募。
「実は受験もコンテストも両親には内緒で した。国公立に合格できれば、両親はダ メとは言わないだろうし、コンテストは 入賞できたら報告しようと思って。私は 一度こうと決めたら意思を曲げないタイ プ。口に出して言うよりも、とりあえず動いちゃえ!と思ったんです」。 毎日がむしゃらに勉強し、バイトに明け 暮れる齋藤さん。そんな様子をみていた お母さんは、娘が再度受験勉強している ことに、うすうす気づいていたようです。 「受験が近づくと『受験するんでしょ?』 『お父さんにも話しておくから』と言って くれました。無事に合格できたときには 私の努力を認めてくれて、『よく頑張った ね』って、一緒に泣いてくれました」。 一方、コンテストのほうは大学の合格 発表のころに2次審査を通過。最後まで 家族に気づかれることはなく、最終審査 まで進んで芸能プロダクションへの所属 が決定します。
「お母さんに『東京の大学に通いながら芸 能界の仕事を始めたい』と報告したとき は、さすがにあきれられました。でも今 では両親ともに応援してくれています」。
- ●●● 演技の幅を広げるため学業もやり遂げました
-
「コンテストで入賞したら、すぐに芸能人
として仕事をスタートできるのかな!
?」
と思っていた齋藤さん。でも現実はそう
甘くありません。さっそく始まったのは、
演技や歩き方、ポーズ、日本舞踊、アクショ
ンの殺陣などのレッスン漬けの日々。
「レッスンを受けるようになって、テレビ
の裏側でどれだけ多くの人たちが努力し
ているかを知りました。そして、『ここか
らが本当のスタート。ドラマに出演でき
るようになるための準備がやっと始まっ
たんだ』と自覚しました」。
昼は大学、夕方からは演技のレッスン に通い、遊ぶ暇はほとんどなかったとい う齋藤さん。レッスンだけに集中するの ではなく、学業も両立させたのは、「深みのある女優になるためには、いろんな勉 強と経験が必要」と考えていたからです。 「学生時代は自分の視野を広げる大切な時 期。学業もおろそかにしてはいけないと 思います。女優が表現する世界は幅広く、 日常生活はもちろん、自分が経験したこ ともない職業を演じることもありますか ら。自分自身をブラッシュアップして、 基礎作りをしようと決めました」。
- ●●● 一歩踏み出す勇気を持てば 夢を実現できる
-
今は新人女優として、先輩たちの演技
から学ぶ日々ですが、現場に入るたびに
痛感するのは「自分はまだまだ勉強が足
りない」ということ。
「初めてのドラマなので頑張ろう!って取 り組んでいますが、『もっとこうすればよ かった』と反省したり、想像していたの と全然違う自分の演技をあとから見て、 悔しい気持ちになったこともあります。 でも、頑張るしかないですよね」。
おっとりとした雰囲気を漂わせながら も、実は相当な負けず嫌い。そんな齋藤 さんには、目標達成に向かって頑張ると きに自分を励ます言葉があります。それは 「1つ頑張ることができたら、ほかのこと も頑張れる!」という言葉。子どものころ お母さんがいつも言ってくれた言葉です。 そして夢に向かって進むときは、モチ ベーションを高く持つことを意識します。 「『ちょっとやりたいな』ぐらいでは叶わ ないんですよ。ダメだったときのショッ クを考えると怖いけど、それ以上に頑張 ろう!と思う勇気を持たないと」。
人生は1回限り。「あのとき、やればよかった」と後悔するよりも、まずはチャ レンジあるのみ!思い切って1歩を踏み 出すことから、すべては始まるのです。 今は現場に立つたびに反省ばかりです が、演技の世界はそれだけ奥が深いとい うこと。
「だからこそやりがいがあると感じていま す。3歳のときからピアノを習っている ので、ピアニストの役もやってみたいし、 いずれは悪役にもチャレンジしたい!お ばあちゃんになってもこの仕事を続けて いきたいですね」。