アトピーと家族の関係 |
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- 子どものアトピーを治すためには、どんな家族関係が望ましいのでしょうか?
小学生までのお子さんをもつ親御さん向けに、親としての心がまえを情報誌あとぴナビのコラムでおなじみの木田盈四郎先生にお聞きしました。お子さんのアトピー症状は、家族との相互関係とも大きく関わっています。
今回はアトピーのお子さんをとりまく家族、特に親子関係にスポットをあててお話します。
- 1.アトピーを回復に導く親と子の距離
- 親御さんは「わが子のアトピーを治せるのは自分しかいない」と自分を追い詰めていませんか?
アトピー治療は長丁場。いずれは子ども自身がアトピーを克服していくために、今できることを考えてみましょう。
- ■ 自分で考えて行動できる「自律」がアトピー治療のカギ
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どんなお子さんも母の胎内で育ち、やがてこの世界へと生まれてきます。そのためか、幼いときには、「母子一体感」があり、母親はわが子の痛みを自分の痛みと感じてしまうことが多いようです。
アトピーのあるお子さんを育てる親の場合も、子どもの症状や痛みを代わってあげることもできず、本人とはまた違ったもどかしさや辛さがあるもの。しかし子どもが赤ちゃんのうちは仕方ありませんが、いつまでも親が子どもに共感ばかりしているだけでは、子どもの「自律」を妨げることになります。
アトピーの治療にも「自律」は大切なカギとなります。乳幼児の時期は親が生活環境を整えてあげなければいけませんが、3歳を過ぎた頃から、少しずつ子ども自身の自覚も必要になります。毎日欠かさずに入浴をする、お風呂の後にスキンケアをするなど、症状が辛いときにも多少我慢して自分から行う気持ちがなければ、症状の改善がされにくくなります。
アトピーは親や先生が治してくれるものではなく、自分で治すものだということをお子さんがきちんと理解して治療に取り組まなければなりません。「自律」は、心の「自立」ができてこそできるものなのです。