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春先のアトピーケア

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  • まず、この時期に必要なベースの対策は、やはり「乾燥対策」が中心となってくるでしょう。アトピー性皮膚炎の方の肌状態を考えた場合、「低下している機能」はバリア機能です。
    バリア機能が低下しているゆえに、表皮における細菌叢が異常状態となり、黄色ブドウ球菌やボービス菌など、アレルギー(IgE)に関わる素因の増加を招きやすくなる、そして、炎症から痒みが増加し、皮膚をかき壊すことでさらにバリア機能を低下させる…という悪循環が形成されることが、慢性化したアトピー性皮膚炎の病態を作り上げる一因となっていることは確かでしょう。
    したがって、まずアトピー性皮膚炎の方が目指すべきところは「健全な細菌叢の形成」=「バリア機能の健全化」となってくるわけですが、冬から春先の時期、季節的な環境要因を加味すると、意識する必要があるのは、「乾燥対策」です。そして、「乾燥」=角質層内における水分の不足、という状態を指していますので、まず最初に行うべきケアは「保水」です。

  • 水分の補給が基本
  • 掻き傷があると、どうしても水分系アイテムは、傷に浸みやすく、ローションやジェルなど水分を多く含むアイテムを敬遠しがちの方も多いようです。そうした掻き傷に対しては、浸みづらいオイル系アイテムが使いやすく、実際、「コテコテ」の油分で「スキンケア」を完結させる方が多く見られます。
    病院でよく処方されるスキンケアは「ワセリン」ですが、ワセリンも鉱物系の油で水分を一切含みません。したがって、掻き傷などにも浸みづらく使いやすいわけですが、こうしたオイル系のアイテムでケアを行っても「水分不足」の状態は解消されません。 冬から春先にかけて「誤ったスキンケア」として最も多いのが、この「オイル系アイテムのみでのスキンケア」を行うことで、角質層の乾燥状態が解決されず、結果的に異常な細菌叢を形成している表皮の状態を改善することができていないケースです。



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