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12月に気をつけたい アトピーケアについて

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  • 12 月は、環境や生活の面で、アトピー 性皮膚炎にとって、負荷が大きくなる 時期です。
    乾燥が続く冬の間、アトピー性皮膚 炎の方にとって大切な要因となるバリ ア機能は低下しやすい状態が続きます。 冬の最初の時期に、状態を落とすと、 春まで引きずることもありますので、 12 月のアトピーケアは冬を乗り越える ために重要だと考えましょう。


  • 環境の悪化要因
  • まず、環境的な悪化要因を 上げると「乾燥」と「冷え」 の2つです。 乾燥は、大気の乾燥状態 が進むこともあります し、暖房をエアコンで 行っている職場やご家 庭の場合、角質層の水 分蒸散量が上昇しますの で、より乾燥しやすい状 態にあります。
    また気温が下がることで、体 熱が奪われやすく、血流が悪い状態 が続いている方の場合、「冷え」が進行、 掻き傷などの回復が遅れるようになった り、自分でアトピー性皮膚炎を抑えるた めの力(内分泌など)の機能も低下しや すくなります。
    「乾燥」と「冷え」の対策をしっかり と行いましょう。

  • 生活リズムの悪化要因
  • 年末は、生活リズムも乱れやすくなり ます。
    仕事をされている方は、取引先の関係 で何度も忘年会に出席しなければならな いこともあるでしょう。
    また、クリスマスや年末年始など、楽 しく過ごせるイベントが続きますが、睡 眠のリズムや食事のリズムが乱れやすく なることもあります。
    本来、アトピー性皮膚炎でない方と アトピー性皮膚炎の方のもっとも大き な違いがどこにあるかというと、「痒み や炎症を抑える力」です。
    免疫反応から炎症が生じて痒みにつな がる、あるいは、角質層が乾燥した状態 が続くことで痒みを知覚する神経線維が 表皮内に侵入、皮膚への刺激を痒みと知 覚しやすい、こういった「痒み」につな がる経路は、アトピー性皮膚炎であるか ないかを問わずに生じる「現象」です。 つまり「痒みを出す力」は誰しもが普通 に持っている「力」です。
    また、不要な痒みを生まないよう「抑 える力」も持っているのですが、アト ピー性皮膚炎の方は、この「抑える力」 が弱いことで痒みが生じやすい状況に なっています。
    よく、アトピー性皮膚炎の免疫反応 による炎症を、「誤った免疫力が強すぎ るため」と表現するケースがありますが、 アトピー性皮膚炎の方は、免疫力が強 すぎるために炎症が生じているのではあ りません。アトピー性皮膚炎でない方が 持っている「免疫を抑える力」が弱い、 つまり免疫力が弱まっていることで炎症 が生じやすくなっているのです。
    そして、この「免疫力を抑える力」とは、 自律神経や内分泌の働きに強い影響を 受けているため、日常生活行動によって 大きく左右されます。

    睡眠不足が続けば、日内リズムが狂う ことで自律神経の働きが乱れます。同時 に、内分泌機能、特にアトピー性皮膚炎 に深く関わる成長ホルモン(掻き傷を修 復)と副腎皮質ホルモン(免疫反応を抑 える)も、睡眠不足により産生機能が低 下することが分かっています。
    現在、アトピー性皮膚炎の状態が「悪 い」方は、ちょっとしたリズムの乱れ が症状の悪化に短期間でつながること がありますので、生活内で悪化する要 因に繋がる、「睡眠」、「食事」、「運動」「ストレス」といった生活行動には注意 しましょう。

  • その他の要因
  • 昨年のインフルエンザは、年が明けた 今年の1月〜3月に流行しました。
    今年は 10 月の段階で、沖縄では定点あ たりの感染者数が 10 人を超えていました ( 11 ・ 17 人)。また、沖縄で多く検出さ れたのはAH3型(A香港型)という型 でした。これは、2014〜 15 年のシー ズンに子どもたちの間で大流行した型で す。2014〜 15 年は、 12 月上旬から流 行が始まっていましたので、今年も同様 にA香港型が年末から流行する恐れがあ るのではないかと指摘されているようで す。
    インフルエンザは、アトピー性皮膚炎 に対して直接的な影響をもたらすもので はありません。一般的にはインフルエン ザで高熱が出ると、いったんアトピー性 皮膚炎の炎症が落ち着く状況もみられま す。これは、ウィルスなどの外敵に対応 する Th 1型(ヘルパーT細胞Ⅰ型)と、 アレルギーに対応する Th 2型の免疫機能 は、サイトカインによりお互いを抑制す る関係にあるため、インフルエンザウィ ルスに体が対抗している段階ではアレル ギーに関わる免疫機能が抑えられるため と考えられています。
    しかし、インフルエンザが治った段階 では、このバランスは逆転するため、抑 えられていた反動もあるためか、インフ ルエンザに罹患する前の状態より悪化す るケースが多くなるようです。
    インフルエンザの対策は、うがいや手 洗い、マスクなどの物理的な対策が中心 になります。感染から発症に至るために は、一定のウィルス数が体内に入る必要 があるので、これらの物理的対策は、発 症に対して有効です。
    特に今年は、耐性ウィルスに注意が必 要との報告もあるようですので、 11 月の 段階から「予防」的な行動は意識するよ うにしましょう。




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