1月にお肌状態をアップさせるためのアトピーケアとは? |
冬の時期、アトピー性皮膚炎の方の肌状態は、基本的に乾燥から症状を悪化させているケースがほとんどです。
冬は、大気が乾燥することで角質層からの水分蒸散量が上昇し、肌が乾燥しやすい環境となっています。そして、暖房で、乾燥状態がさらに助長されます。もう一つ肌の乾燥状態を生む原因が「汗」不足です。
肌のバリア機能は、汗と皮脂が混じり合って作られる皮脂膜が覆うことで成り立ちますが、冬の時期、気温の低下により汗をかきづらいことで、この「自分の力で行うスキンケア」が低下しやすい状況になっています。
つまり、冬の時期にアトピー性皮膚炎の方が気をつけなければならないことは、
1.肌の乾燥状態を緩和させるための、適切なスキンケアを行う
2.自分の力でスキンケアが行えるように「汗」をかく生活習慣
の二つと言えるでしょう。
- お肌の「潤い」とは、基本的に水分により成り立ちます。
ただ、水分はそのままでは自然と蒸散するため、それを防ぐための「カバー」が必要です。この「潤い」が保水、「カバー」が保湿ということになります。
一般的なスキンケアのイメージとしては、「保湿」という言葉が「モイスチャー」という意味合いにまとめられ、「潤い」と「カバー」の境界線をあいまいにしています。健常な方の場合は、「掻き壊し」という要因が少ないため、このあいまいな状態の意味合いでのケアでも十分なのですが、アトピー性皮膚炎の方の場合、掻き壊しの頻度が多いことでバリア機能を大きく低下させていることが多く、「保水」と「保湿」は切り分けて考えた方が良いでしょう。
- 十分な「保水」が基本
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アトピー性皮膚炎の方に必要な乾燥対策の基本は「保水」です。
一般の「乾燥肌」と言われる人の場合、冬以外の季節は乾燥を感じることが少なく、ある程度、自分の力で「スキンケア」を行う力が働いています。つまり「汗+皮脂」による「皮脂膜」が弱いながら機能していると考えてよいでしょう。しかし、冬の時期、大気の乾燥が強いため、角質層内に水分を一定量留めることはできていても、その蒸散が止められない状況、ということが考えられます。
そういった状態のときには、水分蒸散を抑える、という点で見て、油分(オイル系アイテム)ケアによるカバー(保湿)を重視して良いと言えます。
しかし、アトピー性皮膚炎の方の場合は、掻き壊しによる角質層の大きな乱れがあるため、水分そのものが角質層内に「留まっていない」状況が考えられます。
水分がないのに、その蒸散を抑える「カバー(保湿)」だけ行っても、バリア機能を補うには至りません。
まずは、角質層に十分な水分を与えること、これが大切になります。
そのためには、乾燥時期、もっとも大切なスキンケアは「保水」になります。