2月のアトピーケアのポイント |
- 2月の季節としての特徴は「真冬」ということです。暦の上では、春が始まる時期ですが、気候的には寒さも増して、お肌を取り巻く環境は「乾燥」と「冷え」の両面から厳しくなってきす。それぞれに必要な対策をしっかり施して、真冬の季節を上手に乗り越えていきましょう。
- 最近の私たちの生活環境は、随分と進歩して、生活空間のほとんどでは暖かく過ごせるようになってきました。しかし、基本的に、外的な環境が変化したわけではありませんので、「大気が乾燥しやすい」状況は変わってはいません。
そして、エアコンが主流となっている暖房器具は、乾燥状態を強めますので、お肌のバリア機能にとっては、低下しやすい環境となっている状況です。
昔よりも現代の方が、お肌にとっては逆に影響を受けやすい環境と考えた方が良いでしょう。
- 保水と保湿の強化
- アトピー性皮膚炎の方の肌状態を考えた場合、バリア機能の低下は、角質層内の水分保持状態が低下したことからもたらされることが多く、そこに掻き壊しが加わることで、さらに水分を維持しづらい状況になっています。
そのため、対策の基本は、他の季節と同様に「保水」になりますが、大気の乾燥がみられる分、角質層からの水分蒸散量は多くなりますから、肌に「保水」で与えた水分を角質層に留めるための「保湿」も強化することが必要になります。
- 角質層からの水分蒸散を減らす「保湿」ケア
- 角質層からは、常に水分が蒸散していますが、通常は、汗と皮脂が乳化することで作られる「皮脂膜」がお肌を覆うことで、その蒸散を調節、角質層の水分不足(=乾燥)を防ごうと働きます。しかし、汗がかきづらい寒い時期、特に汗をかきにくいアトピー性皮膚炎の方は、この皮脂膜の形成が上手くできていない状況が見受けられます。
そのため、乾燥が生じやすい、ということがあるのですが、その対策としては、角質層の水分蒸散を防ぐための保湿ケアを行うようにしましょう。
具体的には、油分系アイテム(液状、固形のオイルアイテム、オイル分を多く含むクリームなど)でバリア機能が低下した状態の部位を「覆う」方法です。
なお保水は、多めに行うことが基本になります。ほとんどのアトピー性皮膚炎の方は、この保水の量が足りないことで、バリア機能の回復が遅れているケースが多いようです。
それに対して、オイル系アイテムで水分蒸散を抑えるための「保湿」ケアについては、蒸散を抑えるための量があれば十分ですので、特に多めの必要はありません。
特にオイル系アイテムは、べたつき感があることで抵抗がある方もいます。
ただ、保湿ケアは、いわばお肌の「一番上に行うケア」と言えます。そのため、服と擦れたり露出部位を触ったりすることで、どうしてもオイル分が定着している時間が短くなりやすいものです。
そこで、乾燥時期のしっかりした保湿ケアとしては、頻度を多く行うことを心がけましょう。
朝、学校や仕事に行く前に保湿ケアを行って、帰ってくるまで何もしない、というのは、今の時期、角質層のバリア機能を考えた場合、大きなマイナスです。食事の時間や休憩中などを利用して、「塗り直し」は行うようにしましょう。