6月に気をつけたい アトピーケアとは? |
- 気温と共に湿度も上昇してきたこの時期、アトピー性皮膚炎の方のケアは、 冬や春の時期とは違ったケアを行う必要があります。 6月に気をつけたいアトピーケアについて考えていきましょう。
- この時期の特徴として、湿度と気温が上昇、
皮膚のバリア機能が低下した状態にあるアト
ピー性皮膚炎の方は、感染症の悪化からお肌
の状態を一気に落とすことがあります。
特に、ステロイド剤やプロトピック軟膏など、 免疫を抑制する薬剤を使用中の方は、皮膚の 細 菌叢(さいきんそう)(※)がもともと乱れやすい状態にあるた め、ちょっとしたかき壊しから、バリア機能を 大きく低下することにつながるケースがあり ます。
本格的な梅雨がはじまる前に、感染症を伴 う状態でお肌の状態を落とすことになると、 夏が終わるまで一進一退を続けるケースが多く なりますので、これからの時期、お肌のケア は重要になってきます。 洗浄を含めたケアをしっかり行うようにし ましょう。
- 保水ケアを忘れずに
- 湿度が上昇してくると、ケアアイテムが
ローションやジェルなど、「さっ
ぱり」タイプのものに変わって
くる方も多くなります。
角質層の水分蒸散量が減れ ば(乾燥が緩和する)、オイル 系アイテムを用いた保湿ケアが減少 しても悪くはありません。
しかし、意外に多くみられるのが 「保水ケアが不足している」状態です。 保水アイテムを使用する場合、湿 度があがってくると、お肌の質感も 変わってくるため、「軽く」ケアする 方も多いようです。 しかし、アトピー性皮膚炎の方に 必要な「肌状態」とは、お肌のバリ アがしっかり機能している状態です。 角質層の水分蒸散量が健常な方と比 べると低くなりがちなアトピー性皮 膚炎の方の場合、バリア機能をアッ プ、あるいは維持していくためにも、 健常な方よりも多めの「保水」ケア が必要なことに変わりはありません。 保湿ケアによるカバーが減る分、 保水ケアは多めに行うことを忘れ ないようにしましょう。
- ●保水ケアを重ね塗りがおススメ
- では、どれくらいの量、「保水ケア」
を行えば良いのでしょうか?
一つの目安として、保水ケアが足
りていない方の場合、サッとお肌に
保水するケア方法が通常行っているケアだと
すると、そのケア方法で良いので、3回ほど重
ねて行うようにしましょう。
ケアを行う範囲にもよりますが、仮に両腕 のケアを行う場合、 30 秒ほどで終わっていると きは、たいがい「保水の量が足りない状態」と 言えます。
たっぷり与えた水分を、しっかりお肌にな じませ浸透させていくためには、重ね塗りを 3回行えば、数分は必要になります。
健常な方の肌状態と、アトピー性皮膚炎の 方の肌状態は、角質層内に留めておける水分 量が異なること、そして必要な水分量が足り ない状態が続けば、肌の表面上、乾燥状態を 感じなかったとしても、痒みを知覚する神経 線維の問題や、皮膚の細菌叢(さいきんそう)の状態に伴うバ リア機能は低下気味の状態にあることは確か です。 保水は十分に行うことを忘れないようにし ましょう。
- 洗浄もしっかり行いましょう
- 汗は、お肌が自らの力で行う「スキンケア」
には必要不可欠ですが(汗と皮脂が混じり合っ
て皮脂膜を形成、スキンケアを行う)、同時に
マラセチア菌(真菌)による痒みの原因にも
なり得ます。
汗をしっかりかくこと、そしてかいた汗は 素早く拭き取り、お肌に残さないようにする ことが大切です。 これから汗をかく時期、洗浄は適切に行う ことを心がけましょう。