春アトピーケアは、「汗」「紫外線」「飛散物質」の対策を |
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- 寒かった冬も終わり、春が訪れました。これから季節は、夏に向けて進んで行きます。アトピー性皮膚炎の方にとっても、これまで行ってきた冬のケアから春、そして初夏のケアへとシフトしていくことが必要になってきます。春から初夏に向けてのケアについて考えていきましょう
- ３〜４月は、木の芽時とも呼ばれ、心身が不調になりやすい時期とされています。気候的な面、卒業・進学や入学、就職、転居など生活環境の大きな変化が起きやすい時期であることも関係しているようですが、実際、アトピー性皮膚炎の方が最も症状を落としやすい季節の変わり目は、この冬から春にかけてのようです。
心身的な不調の部分以外でも、これからの時期、アトピー性皮膚炎に対して悪化要因となりやすいことが積み重なります。どういった要因に気をつけることが大切なのかを見ていきましょう
- 飛散物質
- スギ花粉の時期は、４月の中旬頃には落ち着くようですが、アトピー性皮膚炎の肌状態の悪化に関わる飛散物質は、スギ花粉以外にも、梅雨の頃まで続きます。スギ花粉が終わると5月の中旬頃まで黄砂の影響が、そしてその後は、6月一杯頃までＰＭ２・５の影響が見られやすいと言われています。
黄砂やＰＭ２・５は主に、偏西風の影響を受けていると考えられていますので、昨今の気流の変化により、こうした飛散物質の量や飛散が多い時期は、過去の傾向とは違ってくることも考えられますが、基本的には対策を行うように考えてみましょう。
特に、春から初夏にかけて、思い当たる悪化要因がないのに、症状が悪化しているケースには、この飛散物質が影響していることが多いようです。
飛散物質は、社会的な環境要因が深く関わっていますので、個人が行える改善レベルでは十二分な対策までいたらないことが多いのですが、だからといって放置していた場合、悪化要因になりうる方は、無防備にその影響を受けることになりかねませんので、注意しましょう。
- 飛散物質の対策について
- 物理的な対処が基本となります。外出時は、マスクをしたり、露出部位を減らすなどの工夫、帰宅時には玄関に入る前に、衣類をはたいて付着した飛散物質を落としたり、手洗いや気になる露出部位の洗浄などを行いましょう。また、室内環境で考えると、本来、家電や家具などから放出される化学物質の対策は「換気」が基本になりますが、飛散物質の対策で考えると、外気に含まれるわけですから、空気清浄機などを使って浮遊する汚染物質を除去するようにしても良いでしょう。
- 紫外線の対策について
- 初夏に向けて日差しは強くなっていきます。他の悪化要因による影響で（飛散物質や乾燥など）皮膚のバリア機能が低下している方は、紫外線の影響をより強く受けやすいと言えるでしょう。皮膚では、ランゲルハンス細胞（樹状細胞）が皮膚免疫のレセプターを持つことで、皮膚表面における免疫機能の「センサー」としての役目を持っています。
紫外線は、このランゲルハンス細胞のセンサーの役目（抗原提示機能）を失わせる働きがあります。したがって、紫外線を無防備に浴び続けることは、皮膚表面における免疫機能を低下させ、バリア機能に深く関わる皮膚表面の※ 細さいきんそう菌叢を乱しやすくなることにつながります。
アトピー性皮膚炎の原因の一つは、皮膚で黄色ブドウ球菌やボービス菌などの細菌叢が増えることで、体内のＩｇＥを増加させ、アレルギー的な要因を強めることにあります。皮膚の免疫機能の低下は、黄色ブドウ球菌など異常な細菌叢の増加に繋がることで、アトピー性皮膚炎の悪化要因に繋がってきます。
また、ランゲルハンス細胞は、肌への直接的な外的刺激による炎症（刺激応答因子）を抑える鎮静化酵素を持っています。ランゲルハンス細胞が影響を受けると、外部からの炎症因子に対する防御そのものが低下してしまいます。
紫外線対策は、物理的な対策やＵＶケアによって行いましょう。ただ、肌の露出部位を覆う物理的な対策は、これから気温が上がる時期、汗の影響を受けることが多くなります。そうした場合には、適切なＵＶケアで対策を行いましょう。
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