アトピー夏のお悩み相談室【前編】 |
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紫外線、汗のトラブル、冷房、食欲不振、夏バテ…etc. 「蒸し蒸しする夏は、症状が悪化しやすい」という人は意外に多いもの。
そして、夏に症状を悪化させず快適に過ごすことは、寒くなって乾燥する時期のコンディションを整える準備にもなるのです。
夏を快適にすごしたい読者さんのお悩みに答えます。
- スキンケア中に汗をかいてしまう
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夏場、脱衣所が暑くて、スキンケ
アをしようとしても、汗が出てき
てしまうことがありました。
せっ かく入浴し、清潔になったのに、汗 をかいてしまったら、どうしたら いいのでしょうか。
スキンケアの 前に汗をかく場合と、スキンケア 中にかく場合とがありました。
新潟県 N・Mさん(26歳・女性)
- 汗には肌を守る良い面もあります
汗の皮脂で天然のスキンケア
汗自体は、肌を守る抗菌物質も 含まれていますし、また皮脂と混 ざることで天然のスキンケアの皮 膜を形成もしてくれます。
した がって、汗そのものは決して不要 なものではありません。
逆に汗を かかないほうが、浴後の乾燥が激 しくスキンケアがしにくいという 声を多く聞きます。
風通しを良くする工夫を
脱衣所であれば、まずは風通し を良くして、場合によっては扇風 機などで涼感を得るような工夫を 行っても良いでしょう。
スキンケ ア中の汗、スキンケア前の汗は、 あまり気にしない方が良いかもし れません。
汗をかいているときに スキンケアを行うことは、水分や 抗菌物質を肌に留めてくれますの で、利点もあります。
- 汗疱(かんぽう)の対策は?
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暖かくなってくると、手や足に
とても小さな水疱ができます。
以 前、皮膚科で診てもらったのです が、そのときは「汗疱」との診断で、 ステロイド剤を処方されました。
しかし、ステロイドを使ってもあ まり改善は見られませんでした。
特に今年は3月くらいから水疱 ができ始め、とても辛いです。
何 か対応策(できるだけステロイド 以外で)があれば教えていただき たいです。
東京都 S・Yさん(30歳・女性)
- 症状にあわせたスキンケアを行いましょう
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汗疱の原因をつきとめよう
汗疱(汗疱状湿疹)は、春から 夏に症状が悪化しやすい疾患で す。
金属アレルギーや慢性の病巣 感染、ストレスなど、考えられる 原因は多岐にわたります。
まずは 原因をつきとめたうえでの対処が 必要となるでしょう。
ローション系のスキンケアが基本
汗をかくことが症状悪化につな がりやすいので、スキンケアは ローション系のものを使いましょ う。
ただし、炎症が強くなると、 何らかの感染症を併発した状態に なることもあります。
また、かき 壊して肌がジュクジュクした状態 になれば、「スキンクリーム」など の保護力の強いクリームでケアし ましょう。
- 肘と膝の関節部分の汗疹対策を教えて
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毎年必ずと言っていいほど肘の
内側と膝の後ろに汗疹ができます
(他にも背中やおしりなどにもで
きたりします)。
どのような生活を送ればできに くくなりますか?
また、できた ときにはどのような対策を行えば 良いのでしょうか?
新潟県 K・Kさん(女性・25歳)
- こまめな汗対策と「汗に反応しにくい体」づくりを
まずはこまめな汗対策
まず大事なのは、汗をかいたま ま長時間放置しないことです。
普 段の生活では、冷たいおしぼりな どを持ち歩き、汗を拭き取る、あ るいは汗が溜まりやすい部位には 吸湿性のよい素材の衣類を着用す る、など物理的な対処を行いま しょう。
良質な睡眠がとても効果的
汗疹が起きにくい生活を送るに は、「汗に反応しにくい体づくり」 がポイントとなるでしょう。
睡眠、 食事、適度な運動によって体調を 整え、過剰に反応している免疫の 働きをより正常化させることが基 本です。
なお、汗疹は感染症と同じ 状況と考えましょう。
掻き壊しが ひどければスキンクリームやピュ アサージオイルで保護ケアを行う ように心がけると良いでしょう。