春にアトピーを悪化させない3つのポイント |
● 生活リズムの乱れ
進学・就職・転居など、春は 新たなスタートの季節。3月 から4月にかけて生活環境が 大きく変化する人も多いで しょう。
生活環境の変化は、日常生活 の基礎となる生活リズムにも 変化をもたらします。
例えば、春から高校に進学し た場合、学校が少し遠くの場所 にあれば、まず起床時間が変わ るでしょう(→睡眠の量・質が 変化)。起床時間が変われば、 朝の入浴、食事の時間も変わっ てきます。また、通学にバスや 電車を使うようになれば、通学 時の運動量も変化します。
中学校までは給食だったの が、高校でお弁当になると、菓 子パンなどで簡単に食事を済 ます機会も増えてくるかもし れません(→食事の変化)。
中学校時代と同じ部活動に 入っても、通学時間が長くなっ ていれば、帰宅時間も必然的に 遅くなります。部活動の練習が 厳しくなったり、人間関係に悩 んだりのストレスが増えるか もしれません。
勉強も大変になるでしょう から、夕飯の時間、夜の入浴の 時間、就寝時間も、遅い時間に ずれていきがちです。
以上のように、進学一つとっ ても生活リズムは大きく変化 しやすいもの。生活環境が変化 すると最初は大変ですが、少し ずつ慣れてくれば自分の生活 リズムを取り戻せる人も多い でしょう。しかし生活リズムの 変化が急激だったり悪い変化 が重なった場合、体に慢性的な 負担を与え続けてしまいます。
たとえば、起床時間が早くな り就寝時間が遅くなれば、当然 睡眠時間が減り睡眠不足にな るでしょう。睡眠不足が継続的 に続けば、内分泌機能(ホルモ ンの産生)にも影響を与え、皮 膚の再生に必要な成長ホルモ ン、かゆみに関わる副腎皮質ホルモンの産生が減少すること もあります。
環境の変化によって睡眠不 足になったり、食生活が乱れた り、運動不足になったりした場 合、体はやがて慣れて悪い変化 に順応してしまうことも考え られます。しかし、もし慣れた としても、悪い生活習慣は体に 少しずつ負担を与え積み重 なっていき、結果的に体に悪影 響を与えてしまいます。
● 居住空間の悪化要因
環境の変化による影響でも う一つ注意したいのは、居住空 間の変化です。転居したり、新 しい学校や職場に移った場合、 建物が新築であったり改装さ れたばかりだと、化学物質の影 響(壁紙、家具からのホルムア ルデヒドの放出など)が心配で す。また、室内には化学物質を 発する製品がたくさんありま す。できるだけ生活空間の化学 物質を減らす努力も大切です。 空調(エアコン)の問題も無 視できません。特に就職や転職 などで職場環境が変わり、職場 のエアコンのせいで肌の調子 が悪くなったという話をよく 聞きます。一日の大半を過ごす 職場の空気が乾燥していれば、 肌への悪影響はとても大きい といえるでしょう。
このような住環境の変化が アトピー性皮膚炎の悪化要因 となるケースは、非常に多いも のです。