乳幼児のアトピー対策初夏のケア |
- 乳幼児のアトピー性皮膚炎と成人のアトピー性皮膚炎は、その原因、また症状の現れ方などが異なることが多いものです。乳幼児のアトピー対策では、成人とは違った観点から、治療法、皮膚のケア、生活面の注意が必要になります。
アトピー性皮膚炎の原因を大別すると「免疫機能の異常」「皮膚機能の異常」の2つが考えられます。 そしてこの2つが混じり合って症状が現れてきます。
乳幼児の場合は、成人と比較して、その割合が皮膚機能の異常よりも、免疫機能の異常から生じていることが多いと考えられます。
例えば、アトピー性皮膚炎のかゆみの原因のひとつである食物アレルギー。これは3歳児をピークに乳幼児に多くみられますが、 成人で特定の食物アレルゲンが関わっているケースは、乳幼児ほど多くありません。
乳幼児は体のさまざまな機能が成長途中にあります。食物の消化吸収機能も、成人と比べて「十分に育ち切っていない」ため、その影響がみられやすいと考えられています。
このことを念頭に置き、初夏の季節に特に乳幼児が気をつけたいポイントは、次の3つです。
乳幼児は成人よりも基礎体温が高く、汗もかきやすいものです。また、自分でこまめに汗を拭きとることもなかなかできません。
そのため、肘の内側、膝の裏側などの汗がたまりやすい場所に、汗疹などがみられやすくなります。こういった「汗によるかぶれ」 は、炎症からかゆみを引き起こします。さらに連鎖的にバリア機能を低下させ、感染症などが併発しやすくなります。
汗対策の基本は、汗が溜まりやすい部分を中心に、汗をこまめに拭きとってあげること。 首、肘、膝、だけでなく衣類に接している背中やお腹にも注意が必要です。
汗をかくこと自体は、決して悪いことではありません。問題があるとすれば、かいた汗を「放置」することです。 汗を拭きとる際には、綿や絹など皮膚に刺激が少ない素材のものを使いましょう。おしぼりのように少し冷やしてふき取れば、 皮膚の表面の熱もとってくれるので一石二鳥です。