秋から冬に向けてのアトピーケア |
- 乾燥するとかゆくなる理由は?
- 秋から冬に向けてのアトピーケ
アの中心は、やはりスキンケア。特に大気の乾燥が進むと、湿度の低下により肌の水分蒸散量も上がりやすくなります。
肌の水分が失われると、角質層内の水分保持能力が低下しやすくなります。
角質層に潤いがなくなると、通常は真皮(角質層の奥)内にとどまっているはずの神経繊維が角質層内に侵入します。 この神経線維は、角質層に入るとかゆみを感じさせるため「かゆみの神経線維」と呼ばれています。
かゆみの神経線維が角質層に侵入し、さらに角質層そのものが乾燥により異物の侵入を許しやすい状態にあるため、 外部からの刺激を直接かゆみとして知覚しやすくなります(次ページコラム「乾燥によるかゆみのメカニズム」参照)。
肌が乾燥するとかゆみを感じるのは、このようなしくみによるものです。したがって、肌の乾燥対策はアトピーケアとしてとても 重要です。角質層が潤えば、かゆみの神経線維が真皮の奥に引っ込むので、かゆくなくなるというわけです。
- セラミド不足も乾燥肌の原因に
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角質層の水分保持能力が低下するもう一つの原因として、セラミドの不足が考えられます。
セラミドは、角質層の細胞間のすき間を満たしている細胞間脂質(簡単に言えば油)。 レンガのように積み重なっている角質細胞を、 セラミドがモルタルのように埋めることで、体内の水分は外に放出されにくくなります。
だからセラミドが少ないと、肌の水分は失われやすく、うるおいがなくなり乾燥肌に。 さらにセラミドのもう一つの働きである「肌のバリア機能」も低下し、ウイルスやアレルゲンなどが体内に侵入しやすくなります。
このような働きを担うセラミドが、アトピー肌では不足しがちであるという研究報告があります。 アトピーケアで肌の乾燥対策を考える際には、セラミドの補給も体の中からのスキンケアとして有効です。