塗り薬を使用中の方のためのQOL向上スキンケア |
監修:岩居 武(いわい たけし) 医学博士 1964年大阪府出身。徳島大学医学部を卒業後、大学関連施設を経て、病院院長などを務める。自宅温泉湯治の経験者でもある。 |
-
2009年9月号で、あとぴナビ読者アンケートを行いました。たく さんの方にご回答いただき集計を行ったところ、約6割の方が、 病院で何らかの薬剤による治療を行っている状況がありました。
そういった方々の多くは、本当は薬をやめたいのだ けれど、社会的環境やさまざまな事情でやめられな い、また、少しでも薬剤の使用量を減らしたいとい う意見をお持ちでした。
そこで、薬を使いながらもQOL(生活の質)を少し でも高めることのできるスキンケアについて、ご自 身も自宅温泉湯治でアトピーを克服された経験を持 つ岩居医師にお聞きしました。
さらに、今まであとぴナビに寄せられた「こうした ら、ステロイドの使用量が減った」「こうしたら、今 まで以上に調子の良い時間が長くなった」という声 も紹介します
寒さや乾燥が厳しくなるこれからの季節は、ステロイドやプロトピック軟膏で炎症を抑える 効果が変わらなくても、肌は乾燥しやすくなりバリア機能も低下します。ステロイドやプロト ピック軟膏にも基材として保湿機能のあるワセリンやクリーム成分が含まれていますが、それ だけでは、十分なうるおいを得られなくなります。
つまり、薬効により皮下の炎症は治まっても、肌の乾燥によるバリア機能の低下は改善され ず、それが原因で起こるかゆみで掻き壊しなどが増え、かえって症状が悪化するケースがあり ます。肌の「保水」「保湿」「保護」を今までの季節より強化し適切にスキンケアを行うことで、 肌の乾燥、バリア機能低下を効果的に防ぐことができます。アトピー肌は敏感なので、ま れに薬剤などに含まれるワセリンやプロペトにかぶれている方もいます。お使いになるスキン ケアは、できるだけナチュラルで使用実績のある成分でできたアイテムのご使用をお勧めします。