5月のアトピーケアのポイントと対策について |
- お肌のことを考えた場合、皮脂と乳化してお肌を守る皮脂膜を形成する「汗」は大切な役割を持っている、ということが言えます。
しかし同時に、汗は皮膚の常在菌とのバランスから、放置しておくことで痒みの原因となることもありますので注意が必要です。
汗の基本は、「しっかりかく」「そしてかいた汗はしっかり拭きとる」ことです。
汗をかかない生活は、短期的にみればお肌への刺激が減ることからプラス面はあるかもしれませんが、自分の体の力で「ケアを行う」ことができませんので、アトピー性皮膚炎を克服していくことを目指すのならば「汗をかける」体を目指すことは大切なことと言えるでしょう。
- 基本は、かいた汗をできるだけ手早く拭きとることです。あとぴナビ会員の方によくお勧めするのは、携行用の「温泉おしぼり」です。
手頃な大きさのジップロック等に、箱根の源泉に浸したハンドタオルを絞った「おしぼり」を数枚つめておきます。汗をかいた後、そのおしぼりで、汗を軽く拭きとります。気温が高いときは、保冷剤などを使うと、ひんやりしたおしぼりが維持できますので、制汗効果も期待できます。
汗を拭きとったあとは、ローション系のアイテムでさっぱりと保水を行うことを意識しましょう。
気温が上がってきた時期でも、お肌の乾燥状態が強くみられる方は、同時にクリーム、オイル系で保湿、あとは必要に応じて保護のケアも重ねるようにしましょう。
- 冒頭で紹介したKさんのように、春先の悪化要因からお肌の調子を落としていた場合、5月以降に生じる悪化要因が加わることで、状態がなかなか回復しない、というケースは毎年、よく見られます。
その状態を放置したままでは、梅雨が始まり感染症の状況が重くなると、アトピー性皮膚炎の症状が一気に悪化することがあります。
まずは、紫外線対策や汗対策など、お肌を悪化させる今の時期にみられる要因を解消しながら、適切なケアを行うように心がけましょう。
それでもお肌の状態が落ちてきて、感染症の兆候が見られた場合には要注意です。
これからの時期、主な感染症として多いのは、お子さまの場合は黄色ブドウ球菌によるとびひ、成人の場合はヘルペスやカポジ水痘様発疹症で、その他、真菌による感染症などもあります。感染症が悪化した状態は、全身状態も悪くなることが多く、高熱が出ることもありますから、適切に病院を受診するようにしましょう。その上で、ケアの方法を考えるならば、基本は「洗浄」とお肌の「保護」です。
洗浄は、状態によって浸みることもあるかと思いますが、初期段階で洗浄を行わずに放置しておくことは、接触性皮膚炎などを併発しやすくなり、状態を大きく落とすことがありますので、ある程度、洗浄は行うようにしましょう。
同時にお肌の保護も大切です。最初に紹介したKさんは、コットンとマスクで空気と肌を遮断していましたが、こうした方法も感染症が悪化する前であれば、対策の一つとして有効でしょう。
同じようにお肌を保護する方法としては、チュビファーストが、体液が出始めるような段階でもケアに役立ちます。