アトピー克服体験記 |
- 新潟県十日町市:野澤アテネくん(2歳)
新潟県十日町市 野澤アテネくん(2歳) 2007年6月 月刊無料アトピー情報誌 あとぴナビ掲載 |
はじめての子育てを「湯治、湯治」でスタートさせたママ・陽子さんのがんばりが大きく花開き、野澤アテネくんは1年でグンとキレイに。 アトピーを対症療法で治すのではなく、アトピーを出している体の弱さを、この子自身の体力を上げて正したい―。 悩んだ末に出した結論は大正解。アテネくん、元気みなぎる体を手に入れました! |
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生後2カ月で全身の乾燥が顕著になり、やがて顔がジュクジュクし始める。薬を使うことなく、生後3カ月から源泉を使った自宅温泉湯治を開始。数カ月後にオムバスの活水器を設置。湯治開始から1年で誰が見てもわかる回復ぶりを見せ、その後すぐに克服といっていい状態に。今でも入浴で代謝を上げるのは日課。
「野澤アテネくーん」。こう呼ばれると片手を高々と挙げ「ハイッ!」と元気よくお返事。お目めをクリクリさせて直立する姿が愛らしくてユーモラスなアテネくんは、2歳5カ月(取材時)の男の子です。皮膚がめくれ上がってジュクジュクだった顔、かゆみが目いっぱい詰まっているかのように、はちきれそうにむくんでいた足、ごわついて深いしわが走っていた背中…。かつては、ママに抱っこされてかゆみにじっと耐えていた、全身アトピーの赤ちゃんでした。強く出ていたその症状は、今は見る影もなく、また、「じっとしている」なんてとてもとても……という、〝超.がつくほど元気に成長しています。実は、お父さま・昭夫さんもオムバス式の自宅温泉湯治でアトピーを克服した(2001年7月『湯治の声』掲載)経験者。温泉湯治でアトピー退散を果たしている"親子二代"なのです。
- パパは湯治のよさを知っていたけれど…
- 名前からもわかるように「アテネ五輪」の年に生まれたアテネくん。
生後2カ月の段階で「水分が不足している感じ」になっていったのだそうです。
「赤ちゃんの肌ってプニョプニョしているイメージなのに、この子はかさついていて、どうしたらいいのかなぁと思っていたんです」
(お母さま・陽子さん)
- 様子を見ているうちに、乾燥はさらに進み、乾きから割れ、額や耳の下辺りを中心に顔はジュクジュクし始めました。ご主人・昭夫さんもかつてアトピーで、オムバスの自宅温泉湯治で克服した経緯を持つことは、アテネくんが生まれる前から知っていたという陽子さんでしたが、「じゃあ、この子にもすぐにその手法を!」とはならなかったのだとか。「私自身がアトピーについて知らないことが多かったんです。お医者さんの意見とオムバスの意見を両方聞き比べてから治し方を決めたいと思いました」(陽子さん)
「10年薬を使い続けて、それを断って湯治を始めた自分としては、アトピー治療で病院に行くのは大反対でした」という昭夫さんも、陽子さんが迷うこと自体は十分理解できるものでした。病院の治療方針を尋ねれば、「即、入院して、保湿剤を塗り、掻けないように手足を固定して1週間寝かせる」という、かなり酷なやり方。片やオムバスは「症状よりもお母さまの不安のほうが強いと感じました」(松澤博一相談員/日本オムバス神奈川)と慌てる様子はありませんでした。
「迷いました。この子が将来、普通に暮らしていく中で、少し気をつければいい程度のアレルギーであればいいんですが、そうかどうかもわからないし。ただ、ステロイドで症状を抑えこもうと今決めるとしたら、それは本人の意志ではなくて私の意志。ステロイドをいつか断って、症状が噴き出してしまうとしたら、今、ステロイドを使うと決める親の責任は大きいと思いました。松澤さんと話したことで、今のうちにこの子の健康状態をいい方向に改善していくことができるのであれば、そちらを選択したいと思いました」。
結局、ステロイドという対症療法ではなく、オムバスの入浴法を実践して、代謝を促し自然治癒力を高めて、もともとの体力を底上げしていく方法を選択。陽子さんの決断に、わが子を自分の二の舞にしなくて済んだ昭夫さんはひと安心。これからは、湯治生活できっと生まれてくる不安を解消するための役割を担おうと決心したそうです。