アトピー克服体験記 |
- 埼玉県 岡本雅美さん
- この誌面でご覧いただく写真の本雅美さんのお顔の変化を記録したものです。大きな変化は11月から12 月までの、わずかひと月の間に起きていたそうなので、その目まぐるしさには驚くばかり。
アトピー性皮膚炎を治すためにと病院で処方された薬「プロトピック」を使っていた頃(❶)、塗っても効かなくなり、かえってひどくなる症状に耐えかねて薬を断った後の離脱のピーク頃(❷)、感染症にかかって水泡だらけになったとき(❸)、肌が落ち着き出した頃(❹)、肌に自然なツヤが戻ってきた頃(❺)と、短期間で肌の様子がコロコロと変わっていっています。
どこまで症状が落ち込んでも、にこやかで穏やかな表情をたたえていたのには理由がありました。「ここまでひどいのを治せた!って喜べる日が必ずくると思ったからなんです」(岡本さん)
未来の自分に贈った笑顔、そして、今苦しんでいる人にも贈る笑顔。「薬を使って悪化していったという事実、薬を止めたら回復したという事実」を写真に残すことで、ここまでの症状も治せると希望を持ってもらえたらうれしいと岡本さんはおっしゃいます。
今もまさに「ズンズンよくなっている最中」なのだそう。そんな岡本さんにアトピーのこと、プロトピックのこと、そしてメンタルについてなどもお話しいただきました。
- 昔試した自宅温泉湯治では治せなかった過去
岡本さんがアトピーを発症したのは生後すぐ。物心ついた頃からかゆみと共にあり、20歳になるまでステロイドを使い続けてきました。20歳で始めた自宅温泉湯治は、宅配される温泉を浴槽に張り、24時間風呂を使って入るスタイル。現在のあとぴナビメソッドの入浴法の前身ともいえる方法で、お風呂の準備も入浴後の掃除も重労働といえるものでした。
「時間の許す限り温泉に入っていましたね」ステロイドのリバウンドで血だらけ汁だらけになった体。浸かった後の温泉には体から排出された「ドロドロ」が溜まります。臭いも強いものがありました。
22歳で結婚をし、嫁ぎ先にも24時間風呂を設置したものの、自分のためだけに時間を使うことはできなくなった状況からか湯治は遠のき、満足に続けていくことはできなかったよう。
「ステロイドの離脱、ステロイドに依存しなくてよい状態にまではできたと思いますが、克服というところまではいきませんでした。『湯治の声(情報誌・あとぴナビの前身)』に載っている克服した人たちが羨ましくて仕方ありませんでした」
月日は経ち30歳になったとき、岡本さんは病院を訪ねてみることにしたそうです。非ステロイドなら大丈夫かもとの期待を込めて。
「女性ですから見た目も気になります」。化粧もできない肌の状態にストレスは募る一方だったのです。
薬が効けば一時的に肌状態が良くなりアトピーを気にせずに過ごせる解放感も感じていた岡本さん。しかし季節の変わり目に状態を落としたりしながら何年かが過ぎていきました。