アトピー克服体験記 |
- 愛知県 各務夕香さん
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「体にね、『ありがとね~』って言葉をよく掛けるんです。休まずに働いてくれている心臓や内臓に『ありがとう、ありがとう』って。そんなふうに感謝の言葉を口にすると、自分自身に声を掛けているみたいで、ほわほわした温かい気持ちになるんです」 そうおっしゃるのは各務夕香さん。
アトピーで苦しんでいた時期にはここがダメ、あそこがダメと卑下するばかりだった自分の体を今は愛しみ、気持ちよく目覚めた朝、心地よく眠りに就く夜など何気ない瞬間に健康に感謝する、穏やかな日々をお過ごしです。
- ステロイド歴30年妊娠を機に薬を断つ
- 幼い頃からアトピーでほぼ30年間ステロイドを使い続けてきた各務さん。
30歳前後の頃は中学校の音楽の先生で、忙しさを愛する日々を過ごしていました。アトピー症状が重くなっていくと、責任感あふれる毎日を耐え抜く体を維持するために、どんどん強い薬を高い頻度で使うようになっていったそうです。 はじめは劇的に効いた強い薬も、使うほどに効き目が薄れ、おかしいなと思った頃に妊娠がわかり、各務さんは赤ちゃんのためにも薬を断つ決心をしています。それが今から20年前のことでした。 薬を止めると全身から体液が噴き出し、別人のような姿に。休職をして、24時間風呂と宅配温泉を用いる形で自宅温泉湯治を始めました。
体を治すことと家事に専念するものの、風がそよぐだけでも痛い体は自由が利かず、何一つ満足にできない状況に声を上げて泣く日々に突入していきました。 「私って何もできない、ダメダメだって、とことんネガティブになっていました。でも、あの時代を過ごしたから腹が据わったんだとも思います。 それまでの私は、自分で決めた〝こうあらねば〟にかたくなになり過ぎて、決めたことをカチカチキリキリと守っていくタイプでした。だけどあの頃は何もできませんでした。だめだ~と落ち込む気持ちから抜け出すのは、私が私である以上なかなか難しいものがありましたが、これはこれで仕方がないんだと腹が据わっていったんです」 出産を経ても目に見えて回復に向かわない体、したくてもできない育児…。フラストレーションもたまったことでしょう。 そんな長くて苦しい日々を支えたのは、ご主人、ご主人のご両親、夕香さんのご両親の力強いサポートでした。そしてもう一つ、この情報誌『あとぴナビ』も心のよりどころだったと聞きます。 「いろいろな方が語っておられる体験談はまさに〝人助け〟です。私もその言葉に励まされ、信じて、治りまして、ここにいますから」
- 再発もなく健康な毎日
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31歳で薬を止めて湯治を始め、5年かけてすっかりかゆみと縁が切れた各務さん。途中、活水器を利用し始めたこともあって、じわじわと肌も体も回復していっていたのです。
すっかり健康体を取り戻してから数年経った41歳のときに『あとぴナビ』の克服体験記に登場されました。それはまさに人助けの「バトンタッチ」。
そこからさらに約10年が経ちました。
「今はアトピーが再発することもなく、まったくかゆみもなく、何を食べても元気です。ただ、2年くらい前の9月にほんの少しだけ肘の内側がカサカサしたことがあり、おやっ?と思いました。アトピーだった頃から9月は状態が落ちる苦手な季節だったので、不調のサインかなと感じました。そんなときに届いた『あとぴナビ』には、アトピーが一進一退していた方の体験談が出ていて、それは、お母さんに言われて入浴法に再びやる気を出したらアトピーが一気に改善したという記事でした。それを読んで、私も気が引き締まりました。
『あとぴナビ』が届くと、自分の体のことを考える時間が持てます。私のカサカサはおかげさまで数日で退き、悪化することもありませんでした」