アトピー克服体験記 |
- 大倉 明久くん(5歳)
東京都にお住まいの大倉さんご一家。 一人息子である明久くんの湯治にかかった期間は1年5カ月でした。 でも、強いかゆみや炎症に悩まされたのは最初の2、3カ月だけ。 予想外の早い回復ぶりに、 お母さんの大倉真実(まさみ)さんは「まるで魔法のようです」と。 いいえ、魔法ではありません。 ご家族が心を一つにして積み重ねた努力の結果です |
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大倉 明久くん(5歳) | |
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カサカサしてきたと思ったら1週間ほどでこの状態まで落ち込んだ。全身にかゆみの強い湿疹が広がり、膝は強い炎症でボロボロ。痛くて膝が曲げられなかった。
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好きな遊びは? の質問に、「ゴルフやりたい! おもしろいもん」と明久くん。練習場での打数はすでに350発。昨年の夏には、5歳にしてゴルフコースを回った経験もあるちびっ子ゴルファーです。
「男の子はそうやって遊ぶ方がいいです。遊ばせるのがうまいですし、ブロック遊びでも何でも、父親の方が夢中になってますからね。本人も父親と遊ぶ方がいいみたい(笑い)」とお母さんの真実(まさみ)さん。 広い河原で飛行機を飛ばしたり、タコ揚げしたり。明久くんも、いっぱい遊んでくれるお父さんが大好き。
「やはり、普段からコミュニケーションがないと、叱るにしても何にしても、伝わらないと思うんです」というお父さんの啓司(けいじ)さんは大変な子煩悩。家庭を大事にする素敵なお父さんですが、湯治を始める前はちょっと違っていたようです。
「家庭の方は家内が見るものだと思ってましたし、表で稼いでくるのが男だと割り切ってましたので……」 会社の経営者である啓司さんは、家事や育児を100%真実さんに任せて仕事に駆け回る日々。明久くんをお風呂に入れたこともなかったといいます。そんな啓司さんを変えたのが、分身である明久くんのアトピーでした。
- 4歳半で「アトピー」そしてステロイドを
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「急にひどくなったのは97年の10月です。それまでも、秋になるとかさつく感じはありましたけど、いつの間にか治ってましたし、気にしたこともなかったんですけど……」(真実さん)
近くにある大学病院を受診すると、「アトピー性皮膚炎」と診断。乳児湿疹も食物アレルギーも知らずに育ってきた明久くんが、4歳6カ月にして初めてステロイドを処方されることになったのです。
「血液検査をすることもなく、肌を見てすぐに『アトピーです』って。『それほど重症ではないので、ステロイドは少しだけ入れて処方しておきますから、全体に1日2回、朝晩塗ってください』っておっしゃったんです」(真実さん) それまでアトピーとは無縁だった真実さんは、ステロイドの副作用を知りませんでした。でも、処方箋にあった「キンダベート」「アズノール」という言葉をメモしています。キンダベートは強さのランクが中程度のステロイド。アズノールはステロイドではありません。 「絶対にダメだ」 ステロイドと聞いて即座に反対したのは啓司さん。若い頃からサーフィンやゴルフなどのスポーツを通 して、ステロイドの副作用を間近に見ることがあったといいます。
「怪我もよくしましたし、周りに筋肉増強のためにステロイドを使ってる人もいました。そういう人が、あとで肌がカサカサになったり、髪の毛が抜けたりするのを見てましたので、これは体に相当悪いんじゃないか、と。それを、まだ若い皮膚に塗ればどうなるのか。デメリットが出てからでは取り返しがつかないと思ったんですね」