アトピー克服体験記 |
- 戸田 愛美ちゃん(3歳)
茨城県にお住まいの戸田さんご一家。 長女の愛美ちゃんがアトピーを克服する過程で、 家族の体調にも変化がありました。 パパのじんましんが治り、ママの冷え性や妊娠性の掻痒もどこへやら。 誰かが湯治を始めると、家中が健康になる。 これは自宅温泉湯治の法則なのです。 |
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戸田 愛美ちゃん(3歳) | |
症状は全身に出ているが、特に手足の炎症が強い。手や足の甲、膝の後ろは掻き壊してボロボロ。かゆみと寝不足続きで、笑顔が消えていた。 |
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この春、幼稚園の年長組に上がった戸田愛美ちゃんが、自宅温泉湯治を卒業したのは今年の1月16日。すっかり仲良しになった担当の奥田カウンセラーが、かゆみ知らずの無邪気な笑顔を見つめます。
「2年前は今みたいに元気じゃなかったですよね。子どもなのに寝不足で、かわいそうな時期でした。それが、こんなに明るくなって……」(奥田滋カウンセラー)
初めて会ったときは、炎症と掻き傷でボロボロだった小さな手。「よく頑張ったね」「いっぱい遊んでね」の言葉に、「はぁい!」と応えながらツルツルの手が何度も上がりました。
- アトピーとは別物だったはずなのに
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「塗っちゃダメじゃないか」「ほんのちょっとだから大丈夫」――。
治療法を巡って、ご両親がそんな言い合いを始めたのは5年ほど前。愛美ちゃんが生後8カ月のときです。手に出てきた軽い湿疹を小児科で診てもらうと、「アレルギー性の接触性皮膚炎」という診断。「薬を出しますから、塗っていればじきに治るでしょう」と、何の説明もなく出された薬はアルメタでした。
「ステロイドが良くないのは、テレビや何かでもう知ってましたし、絶対に塗っちゃダメだって言うんだけど、家内は『ちょっとだから大丈夫』って」と言うのはパパの戸田浩信さん。当時は、ご夫妻の間でステロイドに対する認識が食い違っていました。 「手以外はどこ探しても湿疹も何もなかったし、『接触性』って言われたのを真に受けてました。アトピーとは別物だから、ちょっとぐらい塗っても大丈夫だろうと思ってたんですけど」と、今は大反省の紀代美さん。
何かに触って一時的に出てきた湿疹のはずが、消えては現れ、現れてはまた薬を塗り……。そのたびに「塗るな」「大丈夫だから」の言い合いになり、夫婦喧嘩に発展することもあったとか。何度も再発する症状を不審に思い、病院を換えても出てくる薬は同じでした。
- 薬を塗り始めて2年。症状は広がっていた
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その頃、愛美ちゃんが1度だけ、明らかな食物アレルギーを起こしたことがありました。1歳を過ぎて初めて食べた蕎麦に猛烈なアレルギー症状を起こしたのです。見る見る全身が腫れ上がり、驚いたご両親は夜中に病院へ。血液検査の結果、強い蕎麦アレルギーとわかり、医師から「一生食べさせないように」とクギを刺されたのです。
食物アレルギーの中でも蕎麦アレルギーは、人によって命に関わる激しいショック症状を引き起こすことも。残念ながらお蕎麦は食べられないことになりましたが、あとは何でも大丈夫。ステロイドを塗りながら離乳を終え、愛美ちゃんは2歳に成長。まだアトピーと診断されてはいませんでした。 「最初は間隔が開いてたんですけど、だんだん次に塗るまでの間が短くなる感じで、最後の頃には1ランク上のステロイドを出されました」(紀代美さん)
最初は手だけだった湿疹が、おなかや足にも出てきたのは97年の夏。断続的とはいえ、ステロイドを塗るようになって2年が過ぎ、紀代美さんの中でも薬に対する不信感が膨らんでいました。新聞で、ステロイドを使わない皮膚科を見つけたのはその頃。 「その広告に、『アトピーはステロイドでは治らない。当院ではステロイドを使わずに治します』って書いてあったんです。もうステロイドは使いたくないと思ってたので、連れていくことにしたんです」(紀代美さん)