アトピー克服体験記 |
- 照井まゆみさん(25歳)
「たまに塗るだけだから私は大丈夫」と、20年も薬を使ってきた照井まゆみさん。その「たまに」が「時々」に、そして「毎日」になり、ついには下地クリーム代わりに塗るようになったステロイド。そんな照井さんが、薬をやめてスベスベの肌を取り戻すまでの記録です。 |
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照井まゆみさん(25歳) | |
薬をやめると顔から首に軽いかゆみが出てきた。 |
顔から首のかゆみがじわじわと強くなる |
お正月もクリスマスもない! このかゆみを何とかしてほしい……。 |
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- 東京都にお住まいの照井さんは、ご両親、妹さんの4人家族。夏はプール、冬はスケート、休日は野球ファンのお父さんとキャッチボールをして育った照井さんは、自称「負けず嫌い」の、ちょっとボーイッシュな女の子です。
照井さんが薬を塗るようになったのは3歳のとき。
「たぶん、小さいころ医者でもらった薬が薬局でも市販されてたので、小学校のころはそれを買ってきて、思い出したら塗る感じでしたね」
記憶にあるのはフルコートとリンデロンというステロイド剤。あとになってその薬がもたらすものが何なのか、当時の照井さんに予想できるはずもありませ ん。薬を塗るのは生活の一部、旅行かばんには忘れずチューブの軟膏を―。いつしか照井さんの中には、アトピーは一生治らない、薬とともに過ごすのは当たり 前、というような「常識」が刷り込まれていました。
- ステロイド依存を加速させたものは?
- そんな照井さんが頻繁に薬を塗るようになるのは、専門学校を卒業して会社に就職した20歳のとき。薬を塗るのは当然という「常識」が、照井さんの症状を一気に悪化させていきます。
「今思えば、化粧かぶれだったのかもしれないんです」
就職活動のために揃えた化粧品を毎日使うようになると、しばらくなりを潜めていたかゆみと発疹が顔に。照井さんはお医者さんの指示に従って毎日、顔にステロイドを塗るようになります。
「朝は下地クリームの前に塗って、夜寝る前にもよく擦り込んでました」
下地クリーム代わりにステロイドを塗るような生活。副作用の知識があればゾッとするような話ですが、間違った「常識」が刷り込まれていた照井さんは、毎朝毎晩、自分の顔にステロイドを―。
「オムバスに来る前の1年間は、もう塗っても効かなかったです。顔が赤く腫れて、ハンパじゃなくかゆいんですよ。会社でも、『顔赤いよ』『どうしたんだ、 その顔』って言われたり、親しくない人は見て見ぬ振り。しょっちゅう席を外しては更衣室で薬塗って、最後の3カ月はもう仕事にならなかった」