アトピー克服体験記 |
- 小林健太郎くん(2ヶ月)
初めてのわが子を腕に抱いた喜びも束の間、 アトピーショックに打ちのめされた小林清記さん、美紀さんご夫妻。 何も知らなければ、医師の指示通り薬を塗るしかなかったでしょう。 でも、ご両親が選んだのは自宅温泉湯治。正しい情報、正しい選択が、健太郎くんをアトピーと薬害から護ってくれました。 |
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小林健太郎くん(2ヶ月) | |
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全身くまなく強い炎症で覆われ、ただ泣くばかりの赤ちゃん。顔は滲出液で固まり、目も貼りついている。かゆみもかなり強烈だったはず。
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- ジュースを飲んで、「はぁ~、よっぱらっちゃった」と赤い顔(?)の健太郎くん。「飲み過ぎだよ!」「もうやめときなさい」というご両親の言葉もきかずに、お茶やジュースをゴクゴク……。
ほっぺがピンクに上気しているのは、アトピーでもなければジュースのせいでもありません。おしゃべりしたり駆け回ったり、さっきから少しもじっとしていないのですから、健太郎くんの喉はカラカラなのです。
「すごい汗かくんですよ。夏なんか1日に何回も着替えさせてました。赤ちゃんのときは夏でも汗かかなかったのに」と言うのは母親の小林美紀さん。
担当の山本哲哉カウンセラーも、「それが本来の子どもの皮膚だと思います。夏なんかバケツで水をかぶったような、ビショビショの髪をしてますからね」と満足そうにうなずきます。
99年12月19日。この日、自宅温泉湯治の「卒業」を迎えた健太郎くんは、ツルツルのほっぺを紅潮させて元気いっぱい。ご両親が名前に込めた願い通り、健やかさ満点の2歳児です。
- アトピーの先輩が「絶対に薬はダメ!」
- 「アトピーがひどいんですよって言葉で言っても伝わらないんですけど、実際に見せると『……』。みんな言葉に詰まってましたね」(美紀さん)
横浜の商店街で酒販店を営む小林さんご一家。おじいちゃん、おばあちゃんも一緒に、ご家族が協力してお店を切り盛りしていらっしゃいます。お得意さんがいっぱいの地域に根付いたお店。みんなが待ちに待った長男が健太郎くんでした。
「病院から退院してきて1週間目に出始めたんですよ。顔とか頭がジュクジュクになって、泣いてばっかり。酒屋をやってますから、お客さんの目がどうしても…」(美紀さん)
1日中抱いてあやし、ようやく寝てくれたと思っても、健太郎くんは30分おきに目を覚まして泣きじゃくるだけ。真っ赤に炎症を起こした顔から頭から、黄 色い滲出液が噴き出してきます。それでもご両親が病院に連れていかなかったのは、正しい情報を教えてくれる人がいたから。
「あれだけ症状が出てても薬が使えないのはきつかったですけど、姉から『ステロイドは絶対に塗っちゃダメ』って聞いてたので。だから、湯治を始めるのも早かったんですね」
健太郎くんの父・清記さんのお姉さんは、ちょうど自宅温泉湯治の真っ最中。長年ステロイドを塗ってきた実体験から、薬を使うことには大反対でした。甥の健太郎くんにまで、自分と同じ苦しみをたどってほしくなかったのです。