アトピー克服体験記 |
- 群馬県:島崎晶 浩くん(13歳)
生まれた直後から両頬にあせものような湿疹ができ、その後、ほとんどの食物にアレルギーがあることが判明。そこで、母親も除去食を開始し、粉ミルクから母乳を飲ませるためのトレーニングが続きます。その間もアトピーの症状は続き、ステロイドに頼ったことも。平成8年6月から自宅での温泉湯治をスタートさせ、小学校に入学するころには回復して、今では跡形もないほどきれいに完治しました。 |
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「母乳は出るのに、飲んでくれない! 乳首をくわえようともしてくれない!」。前置胎盤での出産で輸血していたため、分娩後1週間、我が子にお乳を飲ませてあげることができなかった母・和美さん。ミルクに慣らされた赤ちゃんを母乳に変えさせるのが、どんなに大変だったか…。そのうえ、食物アレルギー、アトピーと、次々に難題が晶浩くんを襲います。母親自らも除去食と格闘し、自宅温泉湯治の末、健康な体を取り戻したという貴重な体験を語っていただきました | |
群馬県 島崎晶 浩くん(13歳) |
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- 「どうしたら、私のお乳を飲んでくれるの?」
- 「母乳が出なければ、まだあきらめもつきました。でも、胸が張ってお乳はどんどん出るのに、飲んでくれない! とにかく飲ませなきゃこの子は死んでしまう…と、あの頃は毎日が必死でした」。生後1カ月経っても、2カ月経っても、なかなか増えない晶浩くんの体重。母乳マッサージの先生にアドバイスをもらいながら、いかにして母乳を飲ませるかのトレーニングを積んでいる最中のことです。
「あれ? 全身にアレルギーがあるようね」。晶浩くんの肌の状態を見て、いち早く指摘したのはご自身もアレルギー体質のお子さまを持つ先生でした。和美さんも晶浩くんの皮膚の状態は視界に入っていたものの、当時は飲ませることだけで頭の中はいっぱいで、それどころではなかったようです。
先生の紹介でアレルギー外来に行くと、2ヶ月では検査をしても正確なものがでないので、一応「米、小麦、卵、乳、大豆の5大アレルゲン」の除去食を勧められました。「授乳中のお母さんが頑張れば、晶浩くんは治るんですから」。こんな言葉にも励まされ、和美さんは除去食をスタートさせます。最初は、〝これで自分もやせられるかも?〟と前向きにとらえていたそうですが、実際に始めてみたら、とにもかくにもお腹がすく。普通でさえ空腹感でつらいのに、授乳中ということも加わって、身体はフラフラ。その状況といったら、過酷そのものでした。 「でも、すぐに晶浩が泣くので、自分のお腹を構っている場合ではありません。授乳もうまくいかず、それでも毎回必ず乳首をくわえさせていました。それでダメなら自分で絞りだして、ほ乳びんで飲ませていましたね」。
「お乳をうまく吸えないのは、舌小帯じゃないか?」という医師の判断の元、切断手術をしたのが生後3カ月の時。術後はうまく飲めるようになったものの、試行錯誤の末、やっと授乳がスムーズに出来るようになったのは、晶浩くんが4カ月になったときのことでした