アトピー克服体験記 |
- 吉田ゆりさん(23歳)
生まれてからこれまでの間、アトピー は、ときおり激しく現れてはゆりさん を悲しませてきました。中学時代に一 旦影をひそめ、以来アトピーは過去の ものとなったはずなのに、結婚後に再 び何度も現れたのです。長男妊娠・出 産、次男妊娠、そうした節目に必ず顔 を出したアトピーに泣かされながら も、ご主人の大きく深い愛がいつもゆ りさんを救ってきました。次男・流唯 くんとともに励んだ湯治は、今では思 い出に。頼りがいがあってカッコイイ だんな様とふわふわ肌の三人のかわい いお子さんに囲まれて、ゆりさんは、 幸せをかみしめられる毎日を過ごして いらっしゃいます 生後3カ月でアトピー発症。中学1年から 3 年まで自宅温泉湯治に励み、一旦回復。 その後長男妊娠を機にぶり返す。次男が生 後すぐにアトピー発症。3カ月の湯治で一旦 退き、その後感染症を経てアトピーを克服。 ゆりさん自身も一進一退を繰り返すことが あったものの、その後克服。 |
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静岡県 吉田ゆりさん(23歳) |
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この美しい女性、吉田ゆりさん。見 覚えがあるという方も多いのではない でしょうか。2008年3月号の「あ とぴナビSELECT」で、スキンケ ア商品の読者モデルに登場されていま す。
顔立ちの美しさも肌のきれいさも印 象的なゆりさんを誌面で見る限り、アトピーとの闘いが壮絶であったとは想 像しづらいかもしれません。しかし、 アトピーは、これまでの人生の中で、 幼い頃から最近にいたるまで何度も姿 を現わしてはゆりさんを悲しみの淵に 落としていくほど長く重い存在だった のです。
そのたびに「大丈夫、大丈夫。絶対 治るから。そのうちに笑い話になる よ」と、大きく構えてゆりさんを安心 で包みこんでいたのは、最愛のご主 人・真之亮さんでした。三人のお子さ んのパパとママになっても、お二人が ほほ笑みを交わすまなざしは恋人同士 のそれのよう。愛がアトピーに打ち克 った、そんな物語です。
- 持って生まれたアトピー
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生後3カ月でアトピーを発症。ゆり
さんのアトピー歴はそこまで遡りま
す。薬に安易に頼らないというお母さ
まの方針で、ステロイドを使うことな
く育っていったゆりさんの一番古いア
トピーの記憶は「小学生の頃、夏にな
ると肘の内側が傷でジュクジュクにな
っていました」というもの。それを
「我慢」で乗り越えていたとおっしゃ
います。
部分限定だったそんなアトピーが、 背中とお腹以外に広がり出したのは中 学1年の頃。首を一面の湿疹が覆い 皮膚には熱を帯びたかゆみがびっしり 詰まっていました。我慢の限界を超え て、日本オムバスの扉を叩いていま す。
陸上部の長距離選手だったゆりさん は、毎朝6時に起きて、練習に行く前 に一度湯治をこなし、夜、帰宅後に湯 治をする日課を3年生になるまで続け ています。夕方、部活動が終わってか らもさらにコーチのもとでトレーニン グの続きがあるという陸上漬けの毎日 に、湯治もしっかりと両立させていま した。体はヘトヘトなのにかゆみがき つく、睡眠はきちんととれていなかっ たようでした。
それでも中3になるとかゆみが薄 れ、見た目の炎症も退いたそうです。 「もう治った!」。ここで一旦湯治を止 めてしまったゆりさん。高校に入り、 陸上も止め、湯治と部活動、縛られる ものから解放されて、背中に羽が生え たような自由を謳歌していました