アトピー克服体験記 |
- 近藤 滉大(こうだい)くん(10歳)
「えっ、こんなにひどくしちゃう の?」。お子さんのアトピーに薬で はなく湯治を選んでいたお友達を見 て、最初はステロイド薬を手放すこ とを正直躊躇したという近藤恵子さ ん。しかし、ご自身とご長男のアト ピーを根本から治そうと、湯治に取 り組む決意をされました。弟くんも 生まれて、ちびっこ二人の育児にも 大わらわしながら湯治をこなす毎日 を過ごすうちに、気づけばいつの間 にかアトピーが一番の悩みでなくな っていた…。お父さまの協力も克服 を大きくサポート。そんな近藤家の 場合をご紹介します。 生後3カ月で顔に湿疹が出る。産科を 受診し、ステロイド治療と卵の除去食 を始める。病院をその後も何軒か回り、 漢方薬治療も試した。ステロイド剤使 用は10カ月に及ぶ。 |
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愛知県 近藤滉大くん(10歳) |
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血色のいいほっぺに素直な瞳。大人 の問いかけにまっすぐに答えようとす る小学5年生。穏やかでやさしい口調 の近藤滉大くんが本日の主役です。 近藤家では滉大くんとお母さま・恵 子さんがアトピーに悩まされてきまし た。恵子さんもともに湯治に励み、す っきり治りきらない部分を首のほんの 一部に残しておられますが、もう完治 も目前といったところです。
まだ赤ちゃんだった滉大くんと、マ マになりたての恵子さん、二人で湯治 に取り組み出したのはもう 10年も前のこと。しかし、この10 年間、ずっとアトピーに苦しんでこられたという状況 ではなかったそうです。完治が一番の 目標の座からいつの間にか退き、気づ けばアトピーにはそう捕らわれない日 常になっていたようです。
「僕、口から生まれてきましたぁ〜」。 おどけて自己紹介する、おしゃべりでひ ょうきんな弟・司くん(6歳)の存在に 笑い声が絶えない、明るいご一家です。
- こんなにひどくなっちゃうの?湯治に躊躇
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お母さま・恵子さんのステロイド薬
使用歴は小学生の頃から。関節周りの
湿疹のかゆみを薬で抑えてきました。
社会人になってからも、結婚して滉大
くんが生まれてからも、薬で症状を抑
えられるから、アトピーはそれほど気
になる病ではなかったようです。
ただ、ご自分のことよりも、気にな ったのは滉大くんのアトピーのほう。 滉大くんには、生後3カ月でまず顔に 炎症が現れ、血液検査をすると、卵にアレルギーがあることもわかりまし た。病院では「弱い薬だから副作用な んて出ませんよ」との言葉とともにス テロイド薬が出されました。
実は、恵子さんの仲のいいお友達の 赤ちゃんもアトピーでした。そのお宅 ではステロイドを断ってオムバスの自 宅温泉湯治を始めていました。
「お友達が湯治というやり方でアト ピーを治していると聞いて、会ったと きに実はショックでした」。そのお子 さんは離脱症状で真っ赤に頬を腫らしていたのです。「あのかわいい赤ちゃ んをこんなにひどくしちゃうなんてか わいそうで、湯治には最初私は否定的 だったんです」(恵子さん)
しかし、1年後にまた会ったとき、 きれいになっていた友達のお子さんを 見て、また、皮膚がきれいになってい るだけでなく、なんでも食べられる体 にもなっていたことに大いに驚いた恵 子さんは、薬に頼らないこの治し方を 自分も選ぶことにしています。病院で は、滉大くんは卵を除去するように指 導されていたので「なんでも食べられ る体」はとても魅力的だったのです。
滉大くんのステロイド薬使用歴は10 カ月。恵子さんにいたっては、大量に 使ってきた意識はなくても20年以上と なっていました。それだけ頼ってきた ステロイド薬と決別して、まず取り組 んだのは自己流での入浴法。しかし、 離脱が進むと対応の仕方がわからず、 不安が募り、自己流は半年で断念する ことに。
2000年4月、近藤さんご一家は オムバスへと向かいました