アトピー克服体験記 |
- 静岡県 井嶋駿介くん(9歳)
ステロイド剤では症状をごまかして いるだけ。肌の赤みやかゆみは、塗 ったときには抑えられても、塗らな くなれば結局出てくる。しかも、ど んどん広がって…。赤ちゃんの頃、 顔の一部だけにあった湿疹が、4歳 になった頃には体じゅうに広がって いた井嶋駿介くん。「根本的に治そ う!」と思ったご両親は、それまで とまったく違う「自宅温泉湯治」と いう手法を選びました。始めた当時 は「本当にこれでよくなるの?」と 大きな不安に陥り、でもそんな時期 を脱し、肌がぐんぐんきれいになっ ていくと、今までの不安は大きな自 信に変わっていきました。 生後2カ月頃から頬にかゆみを伴った赤みが 出たのがアトピーの始まり。抗アレルギー剤、 漢方薬、ワセリン、水虫薬なども併用しなが ら、症状がひどくなるたびにステロイド剤を 数日間ずつ継続して使った。4歳頃に自宅温 泉湯治に切り替える。半年で離脱を脱し、目 に見えて良化するも、花粉の春、紫外線と汗 の夏になると部分的に状態を落とすことを繰 り返し、約5年で克服へ。 |
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静岡県 井嶋駿介くん(9歳) |
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「本当にこれでよくなっていくの?」。薬を断つと体から出てきた膿に、体 液に、「前よりひどくなっている」としか思えなかったご両親。「すごく心 配で、いいの?これで?と、怖かったのを憶えています」と振り返りま す。
井嶋駿介くんが自宅温泉湯治を始めたのは4歳になるかならないかの 頃。生後2カ月の頃に顔の一部に出だした赤みがアトピーの始まりでし た。それはいかにも「アトピー」というよりも、なんだろうこのまだら 模様みたいな赤みは?といったもの。
「自分でまだ掻けなくて、かゆそうにシーツに顔をこすりつ けていましたね」とお母さま・由紀子さん。"いい皮膚科"だと評判の病 院で診てもらうと、ひと目見て「アトピーですね」との診断が下され、「す ごくよく効く」ステロイド剤が出されたそうです。
- オムバスまでの道のりは長かった
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「いい皮膚科だと評判になる病院は、
劇的に効く薬を出すところなのでしょ
うね」(お父さま・雅和さん)。確か
に、そこに通って長くなんの変化も感
じられない病院には人の評価はつかな
いものでしょう。仮に薬を出さない病
院だったりしたら、「薬すら出してくれない」と文句の対象になるのかもし
れません。
さすが名医。症状をパッと退かせ てくれた! 井嶋さんご一家もはじ めはそう喜び、安心もされたことで しょう。しかし、薬を塗らなくなる と再びかゆそうな赤みが現れるのは なぜだろう。疑問を抱き病院を変え てみてもやはりステロイド剤が出さ れました。
「ステロイド剤は怖い」「よくない」 との噂も気になっていたご両親は、2、 3日を限度として、それ以上長くは使 い続けないようにして塗布していたそ うです。そうしながら症状を抑えるも のの、しばらく退いていたかと思うと また出てくる症状。結局、「出れば塗 る」を繰り返すだけとなり、困り果て ては違う病院へと向かっておられまし た。
「布団を干してやろうと思って持ち上げたら、皮の 粉が布団に山盛り積もっていたことがありました。 そーっとベランダまで持って行かないと大変なこと になりましたね」(お父さま・雅和さん)
温泉がいいらしいとも聞き、雅和さん が往復2時間かけて 静岡県の温泉に軽トラックを走らせた 日々もありました。 20リットルのタンクを10個積んで帰 り、「自宅の風呂場までヒーヒー言い ながら運んでいましたね。連れて行 ってその場で温泉に入らなかったの は、周りの視線が気になったから。温泉が肌にしみて本人が泣くものです からよけいにかわいそうで」(雅和さ ん)。人の目も温泉も肌に刺さる、そ んな苦しみを味わっていたのです。
生後すぐの頃は、頬に出ていたまだ ら模様状の赤みだけでしたが、4歳に なろうかという頃には頭にも体じゅう にも湿疹が広がっています。別人のよ うに腫れあがってしまった顔に、ご両 親の「なんとかしてあげたい」思いがピークに達したちょうどそのとき 「姉の友達の知り合いの方がオムバス の湯治でアトピーを治せたと聞いた んです。近くに住んでおられたので 会って話を聞くこともできました。
民間療法というのは、いいところば かりとは限らないから、正直、多少 心配はありました。だけど実際に治 せている人を知ることができていた から心強かったですね」(雅和さん)