アトピー克服体験記 |
- 福岡県 吉本和樹さん(28歳)悠呂くん(1歳)
もしまだステロイド剤でアトピーの 症状が止められていたら、きっと自 宅温泉湯治はしていなかった。妻に 勧められたこの治し方を、実は最初 は納得できていたわけではなかった ──。そんな吉本和樹さんは、湯治 を始めて広がる離脱に苛立ち、苦し みます。しかし、ちっとも前向きに なんてなれない日々を送りながらも、 体だけは快方に向かっていったので す。あれ? つらさ一色だった感情 から脱せている! 笑っている? 治せてはじめてつながった理論であ ってもいい。健康の崩し方も立て直 し方も身をもって知った、そんな吉 本さんの場合をご紹介しましょう。 お父さま・和樹さんには小学生の頃から少しのア トピー症状があった。大人になってステロイドが 効かなくなるほどの重症状へ。頭皮から足先まで 全身を覆うほどのアトピーを九州HRCでの源泉 湯治で1年未満で克服。息子・悠呂くんは、卵ア レルギーからアトピーを発症。少しステロイドを 使ってしまったものの、重症化せず、湯治により 数カ月で克服。 |
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福岡県 吉本 和樹さん(28歳) 悠呂くん(1歳) |
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朝ご飯を食べる時間があ るくらいならその分ぎりぎ りまで寝ていたい。お風呂 上りには冷たいジュースを 飲むのが習慣。夏は暑いから 上半身裸で寝る。日中はクー ラーで部屋をキンキンに冷や す。夜は遅くまでゲームに興 じる。具合が悪くなって出た 症状は薬で「止める」――。こうしたことは、現代に暮らす私 たちにとっては、結構「普通の生活」 かもしれません。「不摂生」「悪い生 活」だと非難されるほどのこともない ように感じますが、では、体にとって いい生活、健康に配慮した正しい生活 かと聞かれれば、確かにそうではない し、かなり対極にあるのではないでし ょうか。
吉本和樹さんも、こうした、自分に とって快適な過ごし方を続けていたお 一人でした。
この生活が夫のアトピーを育ててし まっているのかもしれないと、奥さ ま・美幸さんが気づいたのは、長男・ 悠呂くん出産時に「助産院を選んだこ と」がきっかけでした。「自然志向」 の大切さ、ライフスタイルを学ぶよう になって、和樹さんの「アトピーには ステロイド剤」の図式はきっとよくな いとの確信を持っていました。
和樹さんに対しても、愛息・悠呂く んに対してもステロイドはもう使って ほしくないし使わない!と決めた美幸 さんでしたが、そう説こうとするほど に「薬ば塗らんでどうやって治ると!」 との言い争いに発展しては、心が折れ そうになっていたそうです
- アトピーにはステロイドそれしか知らんやった
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和樹さんには小学生の頃から”ほんの少し”程度のアトピーがありまし
た。それは「アトピー」と呼べるほどの症状でもなかったようで、手の指や
関節、たまにおでこあたりがかゆくなり、年に1回、2回といった割合で病
院に行ったというもの。
大人になるまで同じ調子で、多用はしないものの、ステロイド剤とはずっ と切れずにつきあってきました。「20歳くらいからは梅雨時期になる と調子が落ちる自覚もあった」という和樹さん。「それでも、ものすごくか ゆいとかではないんです。湿疹ができたけん、かゆいけん、病院に行ってお こうかという感じでしたね。そんな状態が大きく変わったのが去年の2月でした」。
もらった薬をすぐに使い切ってしまうほどに、かゆみと湿疹 がひどく出るようになったのです。1日に何回と伝えられてい た塗付の上限も、顔用・体用と分けられたステロイド剤の区別 も守っていられないほどに薬を塗って塗って…、それを繰り返 しても退かせられない症状に、通院するたびに「もっと効く薬 を」と要求するようになっていたそうです。
「薬を塗りおるのに赤みは退かんし、顔は腫れあがってくるし、汁も出てく るしと、強い薬を塗るほどに逆にひどくなっていくような時期がありまし た」。退かない症状に苛立ちを隠せない様子を見て、「薬はあんまり塗らん ほうがいいよ」とたびたび口にした美幸さんの言葉に、「病気は薬で治すも の」との選択肢しか持っていなかった和樹さんは、イライラを見せるように なったようでした。
産後、冷えから足がむくんで歩くのもつらい状態にな ったことがあるという美幸さん。湯治と出会い、温め る大切さを知り、かなり冷えは改善されたそうです。
そこに出ていた九州ホスメックリカバリーセンター(HRC)は、ご自宅 から1時間ほどと、比較的近いところに位置しています。「ここ行ってみら ん?」。
『あとぴナビ』には、薬を断って出てくる離脱の状態についても書かれて おり、それも目にした和樹さんは、「こうなるほうが今よりひどいっちゃないか…」と相当迷われたようです が、もはや薬は効いていない状態。他にどうしようもないのなら、行くしか ないかと覚悟を決めたのでした。