アトピー克服体験記 |
- 大阪府 守谷祐二くん(5歳)
真っ赤な炎症に覆われて、バリバ リにめくれ上がってしまった頬の 肌。全身かゆみに覆われて、床に、 布団に体をこすりつけては掻く、 痛々しい姿。かなり重かった息子 のアトピーに「どうしよう…」と 不安一色だったお母さまも、自宅 温泉湯治と出会ったことで「治せ る」自信を持てました。実際に、 湯治開始から半年でグン!と良く なったわが子の肌が、不安を消し 去ってくれたのです。治せる希望 と子を思う愛しい気持ちでアトピ ーに打ち勝った、笑顔いっぱいの 守谷さんご一家にお話をうかがい ました。 生後2カ月で乳児湿疹を頬に発症。ステロイドから漢方 薬治療に切り替えるも体調を崩し、入院。退院後、 2005年1月から自宅温泉湯治を開始する。半年で劇的に 良くなり、その後は冬場に乾燥から状態を若干落とす。 2008年の冬からはその状態からも脱却。 |
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大阪府 守谷祐二くん(5歳) | |
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「こんなに傷があっても、
笑ったらかわいいんです
よ」。アルバムの中には赤
ちゃん時代の祐二くんの
写真がたくさん。ほっぺ
は炎症だらけ、汁や血だ
らけでも、写真に収まる
祐二くんの愛らしいこと。
お母さま・展子さんは、
愛しそうにその頃の写真
を見つめながら「症状が
すごく出ていたり、良く
なったと思ったらまたぶ
り返したり、そういうと
き、私も落ち込まないわ
けではなかったですが、
症状だけに目を向けない
ようにしていましたね」
と穏やかにおっしゃいます。
かわいい息子たちを育てていく。ア トピーにとらわれずに。「だから、さ ぁ、楽しくお出かけだ!と、どこかへ 出かけていったりもするのですが、外 に行けば行ったで知らない人から『い い病院があるわよ』とか『この赤ちゃ んどうしたん?』とか、言われてしま うこともあったんですけどね(苦笑)」 (展子さん)。
守谷祐二くん、5歳。生まれてすぐ からかゆみと闘い続け、約4年間の湯 治を経て、今はまったくかゆみのない つるつるな肌になりました。元気な笑 い声をあげながらお兄ちゃん浩一くん (10歳)と駆け回り、よく日やけした 肌を汗びっしょりにして「お兄ちゃ ん、だ〜い好き!」と声高らかに叫ん でいます。こんなにかわいいことをし ょっちゅう口にする弟に、浩一くんも メロメロのよう。「祐二、うるさいっ」 と照れながらも、終始やさしいまなざ しを祐二くんに注いでいます。
- ステロイドから漢方薬へ「どうしよう…」がますます膨らむ
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お母さま・展子さんとお兄ちゃん・
浩一くんには花粉症はあるそうです
が、守谷家では次男・祐二くんだけが
アトピーを発症。祐二くんにはじめに
症状が現れたのは、生後2カ月の頃で
した。
「乳児湿疹だと言われました。最初 はほっぺただけに1円玉くらいの湿疹 が出ていました。汁も出ていて真っ赤 でしたね。それが段々顔全体に広がっ ていきました。病院で処方されたステ ロイドをたった一日塗っただけできれ いに症状は消えたので驚いたんです よ」(展子さん)。
えっ? もう治ったん?と、喜んだ のも束の間、「また出てきた症状にス テロイドを塗るのですが、前は一日塗 っただけで退いたものが三日塗り続け ないと退かなくなりました」。短期間 で重症化していくように見えたそうで す。『こんなふうにしていたらステロイ ドを塗る量がどんどん増えていく…。 次は一体何日塗り続けないといけない んだろう』と不安になった展子さんは、もう この薬に頼ることはしませんでした。ステロ イドはよくないとの話もすでに耳に入っていた時期。それは 知っていたけれど使ってみたのは、少 し使っただけで、もし退かせられるも のなら…との淡い期待があったため。 しかし、実際使い始めると、短期間で やめることなんてできそうにない薬だ とすぐにわかったのです。
ステロイド使用は約1週間程度とご く短い期間でしたが、ステロイドを断 つと祐二くんの症状は以前にも増して 重くなっていました。顔だけだった症 状が体にも広がっています。「頭皮に も出ていました。かさぶたが取れたら 髪の毛ごと抜けてしまうんです」(展 子さん)。
どうしよう…。祐二くんは生後4カ 月になっていました。別の病院に行っ てみるとそこで「うちは漢方薬で治せ た」という人に出会い、早速試すこと に。
その治療法は、漢方薬のお風呂に入るというものだったそうですが、これ が祐二くんにはまったく合わなかった よう。ジュクジュクだった体は傷口だ らけで、そこから体内のナトリウムが 流れ出て低ナトリウム血症にもなって しまっています。
その頃の祐二くんはさすがにつらそ うな様子を見せていました。「今思え ばしんどかったんでしょうね。機嫌が 悪かったんです。体調の悪さからだっ たんだと思います」。低ナトリウム血症に加えて肝機能障 害も起こし、入院へ。「どうしよう…」 は、ますます広がってしまったので す。祐二くん生後6カ月の頃でした。