アトピー克服体験記 |
- 廣越紀子さん(34 歳)
中学時代からアトピーに悩み、高校生の頃にオムバスの自宅温泉湯治を開始。音楽大学に 入学した頃にはすっかり調子もよく、この世の春を謳歌していた紀子さんでしたが、無茶 のしすぎから眠っていたアトピーを起こしてしまいます。音大卒業後に控えた「フランス 留学」に向けて、しっかり治さなきゃと力を入れる余り、過激な運動にも挑戦して感染症 を次々に発症。その山を乗り越えてつかんだ克服は、最高な日々を連れてきました。アトピー との闘い、海外留学から学んだことなど、語ってくださった思いの中に、みなさんの克服 への大きなヒントがたくさん詰まっているようです。 子どもの頃から夏のあせもに悩み、とき おり薬も使ってきた。中学1年でアトピー を発症。ステロイド治療を3、4 年続 け、後に短期間ではあるが漢方薬治療 も。その後オムバスの自宅温泉湯治を 約2 年続け一旦アトピーは消退。健康 無視の生活に入り、再発。そこから感 染症を経て克服。 |
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廣越紀子さん(34 歳) | |
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子どもの頃から親しんできた音楽を
究めようと、音大へ進学した廣
越(ひろこし)紀子さん。ピアノと作曲を専門的に学び、
卒業後はフランスに渡り、さらに作曲
の勉強をしてきました。
そうしたアカデミックなイメージ通 りの、上品な女性であることは確かな のですが、話を聞くほどに愉快な一面が 顔を覗かせる、チャーミングな方。
海外へ出て人間的に鍛えられたと おっしゃる紀子さんは、「生きる力」を 身につけ、「自分発信」でモノを考え、 完璧を求めず「大らかな心」を保ち、 自分を楽しむことでアトピーを再発さ せない今を過ごしています。
「アトピーに悩んでいた頃は、肌がキ レイじゃないと半袖が着られない、ミニ スカートも履けないなんて思っていまし たが、そんなのどうだっていいんですよ ね。したい恰好をすればいい。『治んな きゃ!』みたいに自分を締め付けない でもっと大らかにしていたほうがいいん だって、今はそう思います」
- アトピーは劣等感を連れてきた
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子どもの頃から肌は弱かったという
紀子さん。だからといって特に気にする
ほどでもなく、薬に頻繁に頼るでもな
かったそうです。
アトピーを自覚したのは中学1年の 冬。「冬休みに突然首のあたりがダーッ とただれてきて、慌てて皮膚科に駆け 込み、そこからですね、皮膚科通いと ステロイドが始まったのは」。
行くたびに大量に出される薬をどん どん塗るようになっていきました。「ス テロイドがどうよくないとかも知らな い時代だったのですが、でも、なんとな く不安はありました。看護師さんが手 袋をしてステロイドを塗るんです」。人 が素手で触れない薬をベタベタに塗ら れている、なんとも言えない不安感。「『私 は何?』みたいな感じでしたね」。
中学3年生のマラソン大会にはステロ イドをお腹・腰まわりにたっぷり塗って 上から布をあて、ネットで固定すると いった湿布状態で参加。「体操服、ブル マ姿になるのもとても嫌でした。足には ニキビ跡をもっと激しくしたような黒い 斑点状のブツブツが出ていたし、手足の 関節はジュクジュクしていたし、恥ずか しくて」。胴体にもステロイドをたっぷ り塗っていたわけですから、はじめ「首」 だけだった症状が全身状態になっていた ということがわかります。
「高校になってもそんな調子でした が、医師の高圧的な態度が嫌で皮膚科 に通うのはやめたんです」。劣等感を植 え付けるような、あまりに心ない言葉 が医師から発せられることもあったのだ そうです。
子どもの頃から夏になるとあせもが 出ていた紀子さんは、高校生になっても 夏は肌が汗に負け、必ず調子を落とし ていました。
その苦手な夏、高1のとき、夏休み が終わっても戻らない肌調子に悩み、ま だ半袖で通わなければならない2学期が苦痛で「高校をやめる」とまで言い 出したこともあったとか。
一旦「休学」をすることにし、お父様 が必死で探してくれた治し方=オムバス の「自宅温泉湯治」を始めてみること になりました。