アトピー克服体験記 |
- 阿部 蒼桜(そら)ちゃん(8 歳)
湯治という方法を選んだのだから、即効性は期待しない。でも、昨日も今日も、多分 明日もつらいまま。もう何カ月もつらさが続いている。そんなどん底の日々にあっては、 「先の見えない不安」にとらわれることだってあるでしょう。今回ご紹介する阿部さ んもそうでした。長女・蒼桜ちゃんのアトピー克服では精神的に参ることが多かった模様。でも、今、 克服途中の次女・希桜ちゃんのアトピーには、今が最悪期のピークながら「平気です。治りますから!」と余裕で対応しています。 生まれてすぐに乳児湿疹を発症。それが退かないため、生後2 カ月頃からステロイド治療を開始。病院を転々としている頃にネットの 掲示板に書き込んだ質問に対する答えで自宅温泉湯治を知る。活水器を利用しての湯治を開始。 |
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阿部 蒼桜ちゃん(8 歳) | |
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「強くなりや!」、心ない言葉や視線に負けてしまわないように。「強くなりや!」、自分で自分を守るために。
阿部家のお母さま・瞳さんは、まだ幼稚園児だった蒼桜(そら)ちゃんが肌のことでからかわれて泣いて帰って来た日に、
愛娘に強くなってほしいと言って聞かせました。「うんっ!」と誓った蒼桜ちゃんですが、実はママだってしょっちゅ
う泣いていたことも知っていました。
泣いて、泣いた分だけ強くなった母と娘。パパという絶対的な味方にがっちりと支えられママも安心を得て、 蒼桜ちゃんの肌が少しずつキレイになって、そして…、克った! 「アトピーは治せる」。それを実体験として知った今では、末っ子の 希桜ちゃんにアトピーが出ていても「大丈夫。そのうち治りますから」と大きく構えています。
強くなったご一家は、とことん明るくてにぎやか。そして、"絆"でがっちりと結ばれています。そんな阿部家のアトピー克服レポートです。
- 自宅温泉湯治(とうじ)の先輩とネット上で運命の出会い
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キッズモデルのようなかわいらしさ、阿部蒼桜ちゃんは国語の得意な小学3年生です。
生まれてすぐに乳児湿疹が顔に出始めて、それがなかなか退かずに、生後2、3カ月になる頃にはステロイドを使うように なっていたのだそうです。「これを使わないことには治らない」という言葉とともに出されたのがステロイド。 医師からは「ステロイドで一旦キレイにしましょう」という言い方もされたのだそうです。
しかし、一旦キレイにして、そこから何らかの治療が始まるわけではありませんでした。薬を塗れば確かに一旦は肌がキレイになります。 でもまた出てくるアトピーにまたステロイドを塗る、その繰り返しでした。
「塗ったらキレイになるけれど、なんで塗るのを止めたらまた出るんやろう?」。お母さま・瞳さんは、その不思議に早くから気付き、 アトピー治療で有名な病院をインターネットで検索して、どこならこの子を治してくれるんだろうと、病院を探していました。
その範囲は、兵庫県、高知県、青森県と、日本全国に及びます。どんなに遠くても、そこが蒼桜ちゃんを治してくれるなら厭わない--、 必死の親心が感じられます。
アトピーの名医と評判の病院に実際に赴く前に、行った人の感想が聞ければと、瞳さんは、インターネットの掲示板で情報を求めました。 常日頃からネットで質問をするタイプではないという瞳さん、さぞ勇気を必要としたことでしょう。
質問に応じてくれたのは、日本オムバスの自宅温泉湯治でお子さんのアトピーを克服した※松本翼くんのお母さんでした( ※あとぴナビ2007年9月号克服レポート掲載)。 見ず知らずの人が教えてくれたのは、まったくステロイドを使わない「自宅温泉湯治」という方法。「そういうやり方もあるんや」と 知った瞳さんは、オムバスから「あとぴナビ」を早速取り寄せています。
ネットの掲示板という匿名の場では、出した意見が非難の対象になってしまうこともままあります。それを恐れずに、アトピー治療の 主流であるステロイド療法ではなく湯治を勧めてくれた、まったく知らない人。その方の勇気を思い、その方との出会いに運命を感じながら、 瞳さんは「あとぴナビ」を通して「繰り返し塗らなければならなくなったステロイドのなぜ?」を理解していきました。
「繰り返しアトピーが出るのは、繰り返しステロイドを塗るからなんや!」。ステロイドを塗ることで終わらない悪循環に陥ってしまっていた…、 腑に落ちた瞬間でした。以来、蒼桜ちゃんは薬を断ちました。
乳児湿疹のときは顔にだけ出ていた症状が、3年近く薬を使い続けたその頃になると、腕にも足にも、症状は蒼桜ちゃんの全身に出ていました。