アトピー克服体験記 |
- 久保田伶菜さん(10 歳)
「必ず目標の時期までにアトピーを治す」「私がこの子を絶対治してやるんだ!」。お子さんがアトピーの場合、 親御さんがガチガチに自分にも子どもにも目標を課して、その通りに治っていかないと「どうして!?」と症状を見つめすぎて逆に 改善を遅らせてしまう││、今回ご登場の久保田さんご一家が、まさにそのケースでした。だからこそ今、同じように一生懸命に なりすぎてガチガチになっている方に伝えたいことがある、伝わる言葉がきっとある。ご自分たちの経験をみなさんの克服に 生かしてほしい、そんな気持ちで話してくれた伶れ い菜な ちゃんの克服体験記です。 2 歳の頃に肌の乾燥が目立つようになる。皮膚科に通い、ステロイド入りの保湿剤を塗り始める。 ステロイドのランクは徐々に上がり、使い続けること半年間に及ぶ。 薬を使い続けていたのに肌に痛みがあることを訴えだし、他の療法を探り自宅温泉湯治に出合う。 |
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久保田伶菜さん(10 歳) | |
- 「ぎゅうーっ!」。お母さんの明るい掛け声でご家族4人、ぎゅうーっと顔を寄せ合い、大きく笑って記念撮影。 子どもたちの楽しそうな笑い声が広い空にやさしく吸い込まれていきます。九州ホスメックリカバリーセンター(HRC) の芝生の庭が、たっぷりの幸せ感で満たされた、ある冬の午後、「本当にこんな日がうちにもきた!」と、ご両親は感無量の表情す。
- はじまりは「乾燥肌」だんだん重いアトピーへ
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伶菜(れいな) ちゃんが2歳くらいの頃、お母さま・由枝(よ しえ) さんは、伶菜ちゃんの肌が乾燥していることが気になって皮膚科へと向かいました。肘内、ひざ裏といった関節辺りが乾燥で白っぽくなっていたのです。赤みもありました。
乾燥肌はお父さま・秀(しげる)さん譲りの体質だろうと、それほど気にしてはいなかったものの、かわいいわが子を子どもらしいすべすべ肌にしてあげたいと、皮膚科へ保湿剤をもらいに行った由枝さん。
「赤みを退かせるために保湿剤に弱いステロイドを入れていますとお医者さまは言われました。『ステロイドかぁ…』と、ステロイドにクエスチョンを抱く気持ちはあったのですが、弱いものだし、実はステロイドのことは深く知らなかったし、もらったクリームを塗ることにしました」(由枝さん)
塗れば赤みが治まりました。しかし、続けるうちに赤みが退かなくなります。そう伝えると、「じゃあ次は」と、ステロイドの強さが増し、それを塗れば赤みは退く、しばらくすると退かなくなる、ステロイドのランクがまた強くなるを繰り返していったそうです。
「おかしいなと思ったのは、目の周りには塗るなと言われたことでした」(由枝さん)
目の周りにも症状が出ていたのにここには塗れない理由は何? ご夫婦はインターネットでステロイドについて調べました。 何やら怖そうな薬であると知ったのは、ステロイドを使い出して半年が経った頃でした。
「その半年間で、伶菜は、お風呂に入るのをどんどん嫌がるようになっていったんです。 お湯が痛い、しみると、まだ言葉もたどたどしいながらもお風呂のつらさを日に日に訴えるようになっていきました。 『何が痛いの?』と私にしたら不思議でした」(由枝さん)
お風呂での大絶叫はご近所にも響いていました。「よく泣いているわねぇ」「お風呂嫌いなのねぇ」と言われてしまうほどに。
「先々のことを考えると、ステロイドはもう使いたくない と思いました。いろいろなアトピーの治療方法があるのをインターネットで知り、 オムバスの温泉療法にたどり着きました」(秀さん)
温泉なら大絶叫せずにお風呂に入ってくれるかな、そうなればいいな。そんな親心も働きました。 また、この半年で由枝さんが精神的につらくなっていたのも事実でした。病院ではステロイドが強くなる一方だし、 食べ物に関してもアレルゲンを精密に調べて除去しないとダメだとも言われ出し、「原因探し」も始まりそうだったからです。
「親としてやるべきことは『原因探し』なんやろうか?と、病院の治療に行き詰まりを感じていました」(由枝さん)
違う治療法を探して出合ったオムバスの自宅温泉湯治。まずどういうものか、自分たちの耳で聞いて、目で見て、 始めるかどうかはそこから判断しようとオムバスに向かいました。