アトピー克服体験記 |
- 栃木県 藤田美保子さん
高校の音楽教師として、めいっぱい働いていた頃にアトピーを発症した 藤田美保子さん。 夜は眠れず、朝起きれば顔のひび割れで血だらけになっているという状 態から、温泉湯治を開始して1年ほどで克服。 「自分自身がいい状態でいるためには、楽しい気持ちで過ごすことが大 切」と話す藤田さんのポジティブな考え方と感性は、いかにして生まれ たのでしょう? 8月号と9月号の2回にわたってお伝えします。 |
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栃木県 藤田美保子さん | |
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「どの時点でアトピー克服といえるの
か、わからないんですが、湯治を始めて
から皮膚が修復するまでは1年かかりま
せんでした。ただ、ちょっとしたことで
かゆみが出て、一進一退の時期がしばら
く続きましたけど」と、克服直前の様子
を語ってくれた藤田さん。
日本オムバスに相談に訪れる数カ月前 には、浸出液が絶えず流れて顔が腫れ、 体温調節の機能が低下し、眠ることもで きないほどに症状が悪化。一度はどん底 の気分を味わって、途方に暮れましたが、 湯治を始めてからは目に見えて皮膚の状 態が回復。玄米菜食の食事を取り入れる など、前向きに取り組んでいたのも回復 の後押しにつながったようです。
「ずっと反対していた両親が湯治を許可 してくれただけで『これで治る』って思 ったんです。やはり、気の持ちようは大 切ですね」。
- 「自分は治る!」というイメージが克服への第一歩
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コーチングの資格も持つ藤田さんは、
日頃から「夢を実現させるのが自分にと
って大きなテーマ」と考えています。た
とえばオリンピックに行く選手は、漠然
と夢見るだけではなく、「自分は必ずオ
リンピックに行く!」と、現実的にとら
え、強い気持ちを持ち続けるといいます。
「長年にわたって『○○を実現したい』
と願っているのに実現できない場合、自
分の心の内側を見ていくと、わずかでも
クエスチョンマークがあったり、自信の
なさがあるんですね。逆に『絶対にこう
なる!』と思い描いていれば、実現度は
大きく高まります。強い気持ちを持ち続
けていると、いつの間にかそういう方向
に向かって動いていくんですよ」。
皮膚に関しては「健康だった頃の肌に 戻って当たり前」と思っていた藤田さん。 「そうならなければ治ったとは言えな い!という気持ちでした。『きっと治 る!』とイメージできたことが大きかっ たなと思います」。
とはいえ、完全によくなるまでは時間 がかかりました。職場復帰の問題や、治 ったあとのことを考えてのプレッシャー もあったからです。「きっと大丈夫」と 思いながらも、毎日の生活で多少のぶり 返しがあると、「本当に大丈夫だろうか」 と不安になる日々……。
「不安が押し寄せると、またブワーッと 症状が出るため、気持ちが揺らぎました。 そのたびに回復してきた経過を振り返っ て、自分を励ましました」。そして一進 一退を繰り返しつつも快方に向かってい くことで、自信を取り戻していったので す