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アトピー克服体験記

中西明沙さん



生後1カ月で乳児湿疹と診断され、2カ月頃からステロイド剤を使って症状を抑えていたという明沙さん。その後、説明もなしにステロイド剤を手渡すだけの治療に疑問を持ち病院を転々とした末、自宅温泉湯治に出会います。長期の離脱症状、感染症による急激な悪化…絶えることのない不安を乗り越えて、ついにつかんだ本物の健康。こんな経験を乗り越えて11年ぶりに再会した明沙さんは、看護師を目指す心優しい女性に成長していました。
	中西明沙さん

明るさいっぱい、おかっぱ頭のそれはかわいい女の子。のびのびと元気で、ときにヤンチャそうな表情も見せながら、大好きなお母さんにぴったりくっついていた小学２年生。そんな「明沙ちゃん」に「あとぴナビ」は11年ぶりに再会しました。 19歳の「明沙さん」は、明るさはそのままに、スレンダーな、かっこいいお嬢さんになっていました。
今は自分の「夢」に向かって力強く歩を進める毎日。看護師さんになるべく専門学校に通い、「授業が難しくて、もうホンマにえらいこっちゃなんです〜（笑）」というほど猛勉強の日々を充実感いっぱいに過ごしておられます。

母はあの２年間を決して忘れない

生後すぐに湿疹が出だし、赤ちゃんの頃からステロイド剤は外用だけでなく内服も出されていた明沙さん。数年間は薬で症状を抑えたけれど、肌の色が黄色く不自然。「ステロイドは怖い」との噂も頻繁に耳に入ってくるようになり、お母さま・由起子さんは薬を断つ決心をし、アトピーを治すために、それまでとは真逆の自宅温泉湯治という手法を選択されました。

「湯治に励んだのはこの子が幼稚園に上がる前の２年間くらいのこと。あの頃はすごく長く感じましたが、たったの２年なんですね。遠いと言えば遠い〝過去〞の出来事なんですが、その２年間は絶対に忘れることのできない印象的な一時期です。楽しい思い出とはとても言えませんが、でも、おかげさまでキレイになれたので、湯治を選んでよかったなぁと、今もあの頃を振りかえることができます」（由起子さん）

薬を断って噴き出た激しい離脱に全身を覆われ、口を開けば「かゆい」としか言えない明沙さんがかわいそうでたまらなかったあの頃。「思うように温泉に入ってくれなくて、何回かは押さえつけて入れてしまったこともあります。ワァーッと、ご近所に響くものすごい声で泣かれたこともたびたびあったので、アトピーが克服できたときはご近所から『治ってよかったなぁ』と言ってもらえたりもしましたね」と遠い目をされます。

「幼児虐待やと思われんでよかったね」「事情をちゃんと話していたからね」「そうなんや…」。当の明沙さんにとっては、３歳、４歳という幼いときのこと。「うち、まだちっちゃかったから、お風呂には入れさせられていた感覚です。お風呂がどうつらかったとかは覚えてないけれど、でも、１日に何回も入っていた記憶と、お風呂上りによく※写真を撮られていた記憶はなんとなくあります。あと、かゆかったことはつらかったこととして覚えています」

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