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- フィラグリンが多いと肌が潤いやすい
- フィラグリンとは、皮膚の角質層において天然保湿因子(NMF)として機能するタンパク質。天然保湿因子の働きにより、フィラグリンが多い肌は潤いやすいと言えます。逆にフィラグリンが少ないと、角質層の水分量やアミノ酸の低下を招くので、肌の乾燥からくるかゆみや、バリア機能の低下につながります。
- 動物実験でアトピー性皮膚炎が改善
- アトピー性皮膚炎の皮膚では、このフィラグリンが低下していると言われています。そこで「角質層内のフィラグリン量を増やすことができれば、アトピー性皮膚炎の症状も改善するのではないか」という着眼点から、今回の研究は行われています。
研究の結果、フィラグリンの発現を促進する「J TC801」という化合物が見つかりました。動物実験ですが、アトピー性皮膚炎の症状を改善することができました。
- フィラグリンの関与はバリア機能に関する部分のみ
- このニュースを聞いて、「画期的なアトピー性皮膚炎の治療薬が発見された!」と思った方も多いでしょう。しかし、一つ注意したいことがあります。それは「フィラグリンが関与するのは皮膚のバリア機能に関する部分でしかない」ことです。
例えば、かゆみの原因が食物アレルギーである場合は、フィラグリンを補うことでかゆみの原因を取り除くことはできません。もちろん、フィラグリンが多くなれば、皮膚のバリア機能は強化されるので、食物アレルギーによるかゆみから皮膚を掻き壊す度合いが減る可能性は高まります。
、それは二次的な要因(バリア機能の低下)を補うだけであって、一次的要因(食物の摂取によるアレルギー)の解決にはなりません。フィラグリンを補うことで症状は緩和されますが、食物アレルギーの根本解決にはならないということです。
- 大切なのは 自分の体で作り出すこと
- いずれにしろ、皮膚のバリア機能を高めることで、アトピー性皮膚炎の症状が緩和されることは確かです。研究が進み、フィラグリンを補うことが可能になれば、皮膚のバリア機能低下によるかゆみの緩和が期待できるでしょう。
フィラグリン同様、皮膚のバリア機能を高める物質として重要なのがセラミドです。セラミドもアトピー性皮膚炎の皮膚には少ないことがわかっています。
フィラグリンにしろセラミドにしろ、本来は体内で作り出されるもの。自分の体で「作り出せるように」することが大切。化粧品などによる外からの「補給」では十分な効果をあげることは難しいと言われており、その補給方法も大切です。

