花粉と食物アレルギーの不思議な関係 |
- 大豆の加工食品は食べられるのに豆乳アレルギー?
- 独立行政法人・国民生活センターには、2008年あたりから「豆乳を飲んだらアレルギー症状が出た」という相談が度々寄せられるようになりました。症状としては、喉の痛みやかゆみ、鼻づまり、目のかゆみ、瞼の腫れなど。まれに重篤なアナフィラキシーのケースもありますが、口や喉に症状が出ることが多いことから、口腔アレルギー症候群(OAS:OralAllergy Syndrome)と呼ばれています。
口腔アレルギー症候群は、豆乳を飲んで十数分後に現れるケースが多く、一見して大豆による食物アレルギーかと思われがちです。ところがなぜか、これらの患者さんは、他の大豆加工食品(煮豆・味噌・醤油・納豆など)ではアレルギー症状が出ないといいます。
豆乳でアレルギー症状が出ているのに、大豆の加工食品ではアレルギーはでない。しかも症状は口腔部分に集中している。これはどういうことでしょうか?
- 豆乳アレルギーと花粉症の関係は?
- もともと大豆アレルギーではないのに豆乳ではアレルギー症状が出てしまう。こんなタイプの患者さんには、いくつかの特徴があります。
① リンゴやモモ、サクランボなどの果物を食べた際にも、喉が痒くなるなど似たような症状が出ることがある。
② 豆乳によるアレルギー症状の相談は、4~6月の時期に多い。
③ 豆乳アレルギーを訴える患者さんたちの多くは、花粉症を併発している。
もともと大豆アレルギーではなく、花粉アレルギーがあるということは、豆乳アレルギーは花粉に関係しているのでしょうか?
患者さんたちの花粉アレルギーについて調べてみると、揃ってカバノキ科植物の花粉症であることがわかりました。ということは、カバノキ科植物の花粉に何か秘密がありそうです。