アトピー治療ならあとぴナビホーム医療ナビ > 冷えとりで病が治る 第7回

冷えとりで病が治る 第7回


監修:川嶋 朗(かわしま あきら)
東京女子医科大学附属青山女性・自然医療研究所・自然医療部門准教授/東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長 1957年生まれ。北海道大学医学部卒業。東京女子医科大学大学院修了。ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院留学。医学博士。専門は腎臓病、膠原病、高血圧症など。東洋医学、代替医療などにも造詣が深く、統合医療に精通。『心もからだも「冷え」が万病のもと』(集英社新書)、『クールな男は長生きできない』(ORANGE PAGE BOOKS)、『すべての病は「気」から!』大和書房など著作多数。

  • 我慢できずにすぐ出てしまう下痢と、出したくてもなかなか出てくれない便秘。
    一見逆の症状のようだけれど、それぞれの原因を探ってみると…。体と心の両面から、下痢・便秘を解剖します。
  • 下痢・便秘は腸の状態をうつす鏡
  • 1日に人間の消化管を通る液体(外から 摂取した水、食物。体内で作られる唾液、 胃液、腸液、胆汁、膵液など)は、9リットル 近くにもなるといわれています。液体のほと んどが小腸で吸収され、残った1リットル近 くが大腸に流れていきます。そして大腸を 通過する際に、これらの液体の約90%が吸 収され、最終的に水分の少ない固形の便と なります。
    下痢は、消化管で水分が吸収されにくか ったり、逆に腸管から水分が出すぎること によって便の水分が多くなった状態です。通 常の便には、水分が約70%前後含まれていま すが、80〜90%を超えると下痢ということに なります。
    一方の便秘には、医学的に厳密な定義は ありません。普段より便の回数が減ったり、 便が硬くなったり量が減ったため不快や苦 痛を感じている状態を便秘といいます。便の 状態や排便回数には個人差があります。便 が3日に1回しか出ない人でも、特に苦痛 がなく平気で日常生活を送れるのであれば 便秘ではないし、逆に1日に3回便が出て も、量が少なく不快感を伴うようであれば、 便秘といえます。
    下痢と便秘は、どちらも腸の働きが大き く関わっています。だから、お通じの異常は 腸の異常に関連していることがあり、消化不 良が下痢・便秘の原因となることも多いで す。特に下痢と便秘を繰り返す場合、がん や炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン 病)などが疑われます。よく「便の状態は健 康のバロメーター」といわれますがその通り で、下痢や便秘を侮ることはできません。
  • 下痢・便秘も体の冷えが原因
  • たとえば受験のストレスがあったとしま す。受験で緊張すると、便が出にくくなって しまう人もいれば、逆に何度もトイレに駆 け込む人もいます。排便は自律神経にも支 配されているので、その人自身の自律神経バ ランスや、外部からのストレスへの対応力な どの違いで、体の反応の仕方も違ってくるわ けです。
    人間は、大きなストレスを受けると交感 神経(緊張したときに働く神経)が優位に働 き、体が緊張状態になると血管が収縮し、 体は冷えます。冷えという観点からとらえ れば、下痢も便秘も体の冷えによって起こり ます。体が冷えた結果、食べたものを体内に 維持できなくなると下痢を起こし、食べた ものを出すことができない状態が便秘です。
  • 冷えは体と心に深く関わっている
  • 過敏性腸症候群という下痢を伴う疾患が あります。例えば、毎朝の通勤で満員電車 に乗っていると、決まってお腹がキュッと痛み、 途中下車してトイレに駆け込んでしまう。 電車に乗ったり、ある特定のストレスを受け る状況になると、お腹が痛くなってトイレに 行かないではいられないという一種のパニック 障害です。過敏性腸症候群の患者さんのな かには、電車は必ず各駅停車に乗り、各駅 のトイレの場所は全て把握しているという人 までいます。一度通勤途中で腹痛を起こす と、「また痛くなるのではないか?」という不 安が大きくなる、心の病気でもあります。
    うつ病の治療では抗鬱剤としてセロトニン 作動薬を使います。憂うつ感や不安感は、 脳内の情報伝達物質セロトニンの作用が不 足することで起き、それを補おうというも のです。ただ、セロトニン作動薬を服用する と、はじめのうちは吐き気を催すことがよ くあるのですが、これにはこんな理由が考え られます。実は、もともと体内で作られてい るセロトニンの約90%は腸で作られ、腸の蠕 動運動を活発にする働きをしています。抗 鬱剤のセロトニン作動薬の目的は、脳のセロ トニンの働きを補うためのものですが、腸に あるセロトニンの受容体を介して、腸のほう にも影響が出ると考えられるのです。脳と腸には、セロトニン以外にも同じ物質が存在 し、似た機能を持つことから、腸を「第2の 脳」と言う人さえいます。
    過敏性腸症候群の話は、下痢が体の冷え とともに心の冷えとも関わっている例。セロ トニンの話は、脳と腸にもなんらかの相関関 係があり、心と体が複雑につながっているこ とを示唆しています。





アトピー性皮膚炎総合情報サイト「あとぴナビ」ではアトピー性皮膚炎に関しての情報を広く、深く、ユーザー様に知ってもらうため様々なコンテンツをご用意しております。コンテンツの中にはユーザー様から体験情報等提供していただいておりますコンテンツも含まれる為、無料会員制度をとらせていただいております。
すべてのサービス・コンテンツを無料で提供しております。
会員登録がお済みでない場合は以下のボタンからご登録ください。



あとぴナビのすべてのコンテンツをご利用される場合には無料会員登録が必要です
login
知識ナビ ケアナビ 医療ナビ 乳幼児ナビ 体験ナビ スペシャルナビ
あとぴナビインフォメーション アトピーQ&A あとぴナビブログ あとぴナビモバイル facebook