ステロイド剤治療の実態調査アンケート 結果発表 |
- 「日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診断ガイドライン※」では、アトピー性皮膚炎の「治療の目標」について、次のように定めています。
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治療の目標は患者を次のような状態に到達させることにある。
① 症状はない、あるいはあっても軽微であり、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない。
② 軽微ないし軽度の症状は持続するも、急逝に悪化することはまれで悪化しても遷延することはない。
- そして「薬物療法」については、次の通り述べています。
- アトピー性皮膚炎は遺伝的素因も含んだ多病因性の疾 患であり、疾患そのものを完治させうる薬物療法はな い。よって対症療法を行うことが原則となる。
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現在、皮膚科の治療は原則的にこのガイドラインに沿って行われ、そのほとんどがステロイド剤治療が中心です。
したがって、ガイドラインを理解した皮膚科医は、「ステロイド剤治療は、アトピー性皮膚炎を治癒させる治療法ではない」と認識していると考えられます。
しかし、実際の治療現場では、「アトピー性皮膚炎は ステロイド剤治療で治る」という誤った認識が多く、 また、ステロイド剤治療による副作用などの影響につ いて、医師側は強く否定している状況が見受けられま す。
しかし実際、ステロイド剤治療で副作用の影響など を受ける患者は後を絶たず、治療を行う側と受ける側 の認識が、「ズレ」ている状況にあるのではないでしょ うか。
果たして、ステロイド剤治療は、皮膚科医が言うよ うに専門医の指導のもとであれば安全に長期間継続で きるのでしょうか?
ステロイド剤治療について、アトピー性皮膚炎の 患者さんたちはどのように考えているのでしょう?
あとぴナビでは、あとぴナビ情報Webのメルマガ 読者の方(8.871名)を対象に、「ステロイド剤治 療の実態調査アンケート」を2010年1 2月1日〜 2010年1 2月7日にかけて実施いたしました(有効 回答数318名、有効回答率3.5%)
ステロイド剤治療を現在行っている人、中断した人 たちは、現在どのような状況にあり、どのように考え ているのでしょうか? アンケート結果をもとに解説 します。
※ 2008 年に日本皮膚科学会が、アトピー性皮膚炎の診断基準、重症 度分類、治療方法を統合した診断ガイドライン(2009年に一部改訂)。