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常にエアコンを使う、あるいは常にエアコンは使わない、という両極端ではなく、必要なときにはマイナス点を極力減らしながら上手に使うことをおすすめします。
睡眠は、内分泌、自律神経、そして免疫系に大きな影響を与える生活習慣です。
特に、炎症から来る痒みに対して、病院の治療では一般的にステロイド剤が用いられますが、このステロイド剤は、体内の副腎という臓器から放出される三種類のホルモン(糖質代謝ホルモン、塩類代謝ホルモン、男性ホルモン)の中の、コルチゾール(糖類代謝ホルモン)を化学的に合成した薬剤です。そして副腎皮質ホルモンは、アトピー性皮膚炎の痒みを抑える働きを持っていますが、体内で作られる場合、一日の中では、午前4時〜7時に最も作られることがわかっています。
よく、ステロイド剤の副作用によるリバウンド中に、夜、なかなか痒みで眠れない方が、明け方になるとウトウトできるのも、低下した副腎皮質ホルモンが、低下した中でも最大限に作られる時間帯であるからです。
この、アトピー性皮膚炎の痒みに関わる副腎皮質ホルモンや、ダメージを受けた肌を修復させる成長ホルモンは、睡眠と深い関わりを持っていますし、睡眠自体が副交感神経を優位にさせるため自律神経にも関わります。
このように睡眠とは、アトピー性皮膚炎の方にとって、最も大切な生活習慣の一つであるといえるわけです。
このため、睡眠が十分取れていない(「睡眠時間」が短い、眠りが浅いなどの「睡眠の質」が悪いなど両面から)場合、アトピー性皮膚炎に対しても、悪い影響は与えても良い影響が見られることはありません。そこで、十分な睡眠が取れるような環境づくりが大切になるわけですが、今年のように暑さが厳しい夏は、残暑の影響も長く続くことが予想され、寝づらい日々が同時に続くことになります。
そして、このような暑さ対策としてエアコンは、非常に役に立ちますし、エアコンを使用することで十分な睡眠が確保できるのであれば、体にとっても良い影響を与えていることにつながりますが、同時に、エアコンを使用することによるデメリットもいくつかあります。
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