あとぴナビ/スペシャルインタビュー |
取材・文/柿原恒介、撮影/橋詰芳房 |
PROFILE 森田彩華(もりたあやか) 1988年生まれ。千葉県出身。 子役タレントとして活動した後、02年、第8回全日本国民的美少女コンテスト本選大会に出場。03年、NHKドラマ『麻婆豆腐の女房』で女優デビュー。同年、21人組アイドルユニット・美少女クラブ21のメンバーに。 94年に歌手デビューを果たし、同年、自身がリーダーを務める森田クラブを結成。現在は、ドラマ『おせん』(日本TV系)、舞台『朱雀家の滅亡』に出演するなど、女優として幅広く活躍中。 映画『三本木農業高校 、馬術部』、『斬〜KILL〜(仮)』が08年内公開予定。 オスカープロモーション・公式プロフィール:http://www.oscarpro.co.jp/profile/morita/ |
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体が弱く泣き虫だった少女時代、TVドラマで観る 日常とは違う世界に憧れ、女優への道を志した森田彩華さん。
現在、ドラマ『おせん』などで、はつらつとした演技で視聴者に元気を与えてくれますが、実は幼い頃からアトピーや喘息など、アレルギーにも悩まされていたそうです。
森田さんはいかにして病気に打ち克ち、健康を手にしたのでしょうか。
- 女優・タレント:森田彩華さん
- ■ 心と体は繋がっている。気持ちを明るく保てば、体も健康に近づきますよ!
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凛とした眼差し、そして健康的な笑顔が印象的な森田さん。TVや映画で映し出されるイメージは、まさに活発な女性ですが、実は幼少の頃は引っ込み思案だったそうです。アトピーや喘息を抱え、体が弱かった森田さんは、外出が苦手な子どもでした。小学2年生の頃には2回も入院を経験。学校では保健室で過ごすことも多かったそうです。
「小学5年生まではアレルギーで牛乳も飲めず、卵も食べられませんでした。季節の変わり目には、肌も荒れて大変でしたね。目の周囲が腫れて、目が半分しか開かないこともありました。母は私の体を気遣い、市販の加工食品などは一切出さず、アロエジュースや無農薬の玄米などを食べさせてくれました。私は、市販のものも食べたかったんですけどね(苦笑)」。
みんなが普通に食べているものを食べられない。外で元気に遊ぶこともできない。放課後は、自宅でテレビを観て過ごす日々。しかし、10歳の頃、人生の転機を迎えます。
「当時、テレビでは漫画原作のドラマがすごく流行っていたんですよ。リアルなドラマというよりは、非現実的な世界を描くドラマですね。私は、その世界に夢中になって、将来は芝居をやりたいと思うようになったんです」。
森田さんは何度も両親を説得し続け、2002年には、第8回全日本国民的美少女コンテスト本選大会に出場し、女優への道を歩んでいくことになるのです。しかし、女優業は大勢の人に肌を見られる仕事。肌はどのようにケアしていたのでしょうか。
「食物アレルギーは小5の頃に治ったのですが、疲れたり花粉の季節はかゆくて症状が出るので、うすーく薬を塗ることもありましたよ。ふだんは植物性の天然オイルを塗り、基本的には薬には頼らず、体質の改善を目指しました。かゆいときにはすぐに、1日何回もぬる目のお風呂に入っていましたね。でも、一番大切だと思うのは食ですね。体質改善は何年もかかるそうなので、小さい頃から食事の原材料に気をつけてくれていた母には感謝しています」。
- ■ 好きなことを続けていくうちに、丈夫になっていった体
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14歳で美少女クラブの一員になり、アイドルデビュー後は、ますます芸能活動が忙しくなった中学時代。それまでの地道な体質改善が実を結び、中学生になってからは、アトピーの症状も軽減していたそうですが、改善の要因は身体的なケアだけではなかったようです。
「やはり、好きなことに打ち込めるようになって、性格が明るくなってきたことも大きいと思います。仕事を始めて以降、体の調子も急激に良くなってきましたから。現場で元気よく挨拶をし、充実した毎日を送れたことも大きな要因だと思います」。
引っ込み思案だった少女は、いつしか森田クラブではリーダーシップを発揮。テレビドラマも『アタックNo.1』や『エースをねらえ!』など、かつて憧れていた漫画原作のドラマに出演。映画『青空のゆくえ』では初主演を務め、幼い頃から思い描いていた夢を着々と形にしていきます。しかし、私は今でも、どこか一歩、身を引くタイプと、はにかんだ笑顔で言います。
「性格的に人を仕切るタイプではないんです。悩みがあっても、あまり人に相談もしませんし……。森田クラブでは、まわりがリーダー!と言ってくれるので、だんだんと自覚が出てきたのだと思います。美少女クラブも、メンバー同士で仕事を楽しみながら励まし合い、助け合っていけたことが大きかった。自分は一人じゃないって思えたことは、本当に心強かったですね」。
- ■ 食事、運動、そしてマインド。体にいいことを少しずつ重ねる
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最近ではドラマ『おせん』(日テレ系)で、一升庵の仲居役を熱演。親子丼を作らせたら日本一の鶏番長という役柄です。
「一升庵という料亭は、自分たちで畑を耕して食材を作っているんです。卵も、庭にいる鶏から取っている。現代社会は、便利さと引き換えに、体に良くない食べ物も増やしていっています。でも、本当にそれでいいのかと、改めて考えさせられました。この役を演じることで、食は文化であり、本当に大切なものだと感じています」。
1つの役柄を演じる度に、女優として、ひとりの女性として、成長を遂げている森田さん。この秋公開予定の映画『三本木農業高校、馬術部』の収録では、乗馬にも挑戦しました。
「私が乗る馬は、すごく体が大きいんですけど、おじいちゃんなんですよ。過去の大会でも活躍し、とても落ち着いているんですが、その分、プライドも高い。障害物を飛ぶときに上手く合図を出さないと合図してないでしょって感じで、勝手に止まるんです。本当に、何回も落馬しました。そのときの傷から菌が入り、高熱が出て感染症になってしまい、大変でした。でも、その菌のおかげで、免疫がついて動物アレルギーが治ったんですよ。今では犬と一緒に寝ても大丈夫なくらいです!」。
森田さんが演じる活発な役柄はまだまだ続きます。同じく年内公開予定の映画『斬〜KILL〜(仮)』では、殺陣のアクションにも挑戦。近作では、身体的にも過酷な演技を求められることも多いようですが、体力的には負担はないのでしょうか。
「体を動かすのは好きですよ。学生時代にはバレーボールやバスケットボールもしていましたし。最近はストレッチを毎日しています。昨日は、ヨガをしました。ヨガをすると、日常生活の呼吸って、とても浅いんだなと気付かされますね。深呼吸をすると、心も体もとてもリフレッシュするんですよ。やっぱり、心と体は繋がっているんだなと実感しますね」。
病気があったからこそ、人一倍、健康に気を使った。引っ込み思案で家で過ごすことが多かったからこそ、その生活の中で目標を見出し、行動に移していった。森田さんの溌剌とした笑顔を見ていると、ポジティブな行動の積み重ねは、必ずや結果を生み出すと思えてなりません。はじめは不安でも、まずは好きなことにチャレンジしてみる。そして、少しずつ、ゆっくりでもいいから努力を重ねていく。
「今一番打ち込めるのは仕事です」という森田さん。未知の世界をも恐れず、楽しみながら成長を続けています。これからも経験を積み重ねて、ますます魅力を増していくことでしょう。