こんにゃく芋由来のセラミド摂取で乾燥とかゆみが改善する |
![]() |
-
アトピー性皮膚炎の方には辛い乾燥の季節が近づいてきました。
なぜ、皮膚が乾燥するとかゆみが生じるのでしょうか?また、その対策はどうすればよいのでしょうか?
- 乾燥すると、かゆみの神経繊維が伸びる
-
アトピー性皮膚炎の方のかゆみは大きく分けると、アレルギーが関与した原因と皮膚の機能が原因のものとに大別できます。そして、乾燥によるかゆみは後者が関わってきます。かゆみの刺激は主にC線維と呼ばれる細くて伝達速度の遅い神経を通って脊髄に伝わります。脊髄から大脳にその情報が伝わると、人はかゆみを感じます。かゆみを感じるC線維の終末は健康な皮膚では、表皮と真皮の境界部分にあります(図A)。
ところが、アトピー肌の多くはかゆみを伝える神経線維が境界線を超え、角層(角質層)直下の部分まで伸びています(図B)。皮膚が乾燥すると、表皮にあるケラチノサイトという細胞から出る神経成長因子(NGF)が増え、神経線維が伸びるためです。乾燥肌は肌のバリアが破壊され、外部刺激を受けやすい状態になっているので、伸びた神経線維が過敏に反応するため、かゆみを感じやすくなっているのです。
この、乾燥によって伸びたかゆみの神経線維は、角層に水分を保持させることで、正常に戻ることがわかっています。つまり肌に水分を取り戻すためのスキンケアを継続して行うことが必要です。

- セラミドで角層の水分保持を!
-
■アトピーのかゆみ原因は保湿不足
アトピー性皮膚炎は、かゆみも含めて実に厄介な症状をもたらします。できることなら対策をしっかりと考えて予防に努めたいものです。そのためにはまずアトピーのかゆみ原因を知る必要があります。その原因は、保湿成分が減少することによって、お肌のバリア機能が低下することです。つまり、その点をクリアすることができれば、かゆみを抑えることができるのです。お肌を適度に保湿するためには、角層の水分保持を心がけなければなりません。
■水分保持にはセラミド摂取が最適
角層の水分保持には、セラミドが深く関わることが最近の研究で分かっています(図C)。特に、セラミドが不足した肌は、バリア機能の低下から、角層内に細菌が侵入しやすくなり、皮下で感染をすることが多くなります。感染した肌を掻くことで、さらに細菌が広がるという悪循環も起きやすくなります。実際、アトピー性皮膚炎の小児と成人の90%に黄色ブドウ球菌がついていたというデータもあります。が、効果的にセラミドを補うことで、角層のバリア機能が正常化し、肌の水分保持量が増すことで、この伸びたかゆみを感じる神経線維を改善することができます。これが、結果的にかゆみを減らすことにつながります。アトピー肌の改善にはセラミドの摂取が大切なのです。
■セラミドを摂取する方法
セラミドが配合された保湿剤などを肌に塗れば、外から足りないセラミドを補給することができます。ただ、肌から摂取する場合、衣服でこすれたり、汗で落ちたりすることがあるので、効果が長時間維持できません。日に何度かセラミドを補給して肌をケアする必要があります。 そこで、有効にセラミドを補給するために適しているのがこんにゃくです。
こんにゃくはセラミドを多く含んでいるので、積極的に摂取することでアトピーを和らげることができます。これは安価で、しかも子供でも安心して食べられる食べ物なので、対処法としては大変優れています。毎日の食事に少しの工夫を加えるだけで、アトピーがひどくなるのを抑えることができ、緩和だけではなく予防もできるわけですから、せひ実践してみてください。それでも、食事のメニューからして毎日こんにゃくを使用するのも大変かもしれませんし、いくら症状を緩和するために必要だといっても、毎日の摂取には限界があるかもしれません。
そこで有効なのはセラミドを含んだサプリメントを摂取することです。 日本で市販されている植物由来のセラミドは、米ぬかや小麦粉から抽出されており、含有量が少ないため大変高価な原料でした。しかし最近になって低コストで抽出することが可能になり、セラミドを高濃度に含むサプリメントも開発されています。
■こんにゃくセラミドで乾燥対策を!
実際に、サプリメントでセラミド(こんにゃく芋由来)を摂取した場合の効果は、臨床でも確かめられました(表1・表2参照)。 皮膚の水分蒸散量が減っているということは、皮膚内に留まる水分の保持能力が高まった、ということでもあります。これは、かゆみの神経線維を正常に戻すことにも役立つため、直接かゆみに対する効果が現れているのでしょう。また同時にバリア機能が強化されたことも、IgE濃度の推移から推測できます(表3) スキンケアでセラミドを補給するより効果は長持ちしますが、飲み始めから効き目が現れるまでには約2週間かかるようです。ただ、1日の摂取量を増やすことで効き目を実感できる期間が短くなることもあります。 毎年、乾燥によるかゆみに悩まされているアトピー性皮膚炎の方は、ぜひ、セラミド摂取による対策をしてみてはいかがでしょうか。


-
こんにゃくセラミドのソフトカプセル(こんにゃくセラミド1,200μg含有)を5名について8週間にわたり服用した後、非特異的IgE値を測った実験結果。
5名すべてがIgE値が低下傾向にあることが明らかになりました。
IgE抗体は食品やダニ、花粉などのアレルゲンが体内に侵入することにより起こるI型アレルギー。こんにゃくセラミドの摂取により、皮などのバリア機能が向上した結果、アレルゲン物質が体内に取り込まれにくくなったと考えることができます。
