肌着選びから始めるスキンケア |
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- 肌着が皮膚に与える刺激が、人間の生理機能にも影響を与えています。肌着の大切さを十分自覚しているアトピー性皮膚炎の方にも役立つ、ワンランク上の肌着選びのための情報です。
- 1.「ごわごわ肌着」は自律神経や免疫を抑制する!?
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肌着が肌に与える刺激は、脳に伝わり続けています。
この小さな刺激が積み重なって、人間の生理機能に大きな影響を与えているのです。
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■「ごわごわ肌着」は自律神経を刺激
気温29℃、湿度60%の部屋で60分過ごした後、気温を一気に20℃まで下げたとき、体温はどのように変化するかを測定しました(表1)。
その結果、柔らかい肌着を着たときには体温はいったん上昇し、その後下がり、ごわごわした肌着を着たときには体温は時間とともに下がることがわかりました。自律神経が正常に機能していれば、急に寒い環境にさらされたときには、皮膚表面から体温が放出されるのを防ぐために、交感神経が働いて皮膚表面の血管が縮みます。それによってこれまで放出されていた熱が体内にたまるので、体温は一時的に上がります。
この実験の結果からは、柔らかい肌着を着たときは体温を調節する自律神経が正常に機能し、ごわごわした肌着を着たときには自律神経の活動が抑制されたと考えられます。
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■「柔らかい肌着」は自律神経の働きや免疫力を高め大切なスキンケアの役割も
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柔らかい肌着とごわごわした肌着を2日間着てもらい、その間の尿から免疫を抑制するコルチゾールを、唾液中のs-IgA(免疫グロブリンA)※を測定。その結果、ごわごわした肌着を着るとコルチゾール(ストレスがあるときに発生するホルモン)は多く、s-IgAは少なくなることがわかりました(表2)。ごわごわした肌着を着ているとストレス状態にあることが考えられ、さらに、コルチゾールは免疫の働きを抑制しますから、風邪などにもかかりやすくなってしまいます。
アトピー性皮膚炎の方は「頻繁に買い換えるから、肌着は安いものでいい」と考えてはいませんか。心地よくて柔らかい肌着は、自律神経の働きや免疫力を高めて肌にもよい影響を及ぼします。多少値段が高くても快適な肌着を選ぶことも大切なスキンケアなのです。

