福岡県 中村鷹之輔くん(2歳) |
- 薬を断つきっかけは医師に対するガッカリ感からでした
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「私、病院の治療に勝るものはないと思っていました…」。こうおっしゃるのは中村鷹之輔くんのお母さま・富美夏(ふみか)さんです。
生後半年でアトピーと診断された鷹之輔くんに「上手に付き合っていきましょう」の一言とともに処方されたのは、7種類にも及ぶステロイドでした。
全身に広がる炎症、そしてとめどなく湧くように見えるかゆみ。どんなに掻いても、塗ると退かせる薬の力を目で追って、「治っていく!と、感激すら覚えたそうです。
「周囲から『ステロイドはよくない』『止めたほうがいい』と言われたこともありますが、お医者さんの言うことを信じて何で間違いなのかわかりませんでした」。まさかアトピーを悪化させる医療があるなんて、にわかには信じられなくても当然です治ると信じて使うこと1年以上。
これほど複数の薬を使い続けて、医師の指導のもとに量も考えながら塗って、それでも治っていかない不思議に戸惑い、いいも悪いもステロイドについて、情報として知っておいたほうがいいだろうと思った富美夏さんは、インターネットで検索してみることにしました。
そこで知ったのは、わが子が使っている薬が「強いランク」のものだということでした。じわじわ襲う混乱と不安。検索を進めるうちに、さまざまな情報が錯綜し、混乱していきました。
そこで医師からの安心できる言葉を求め、通いなれた病院を訪ねています。「本当に治るんですよね?」「上手に付き合っていきましょう」――、質問の答えになっていないその回答を聞いたとき、医師の言葉は絶対だと信じていただけに、大きく落胆しました。
「ここまでガッカリしたら、ステロイドを止めることに何の躊躇もありませんでした。真逆の治し方に切り替えたいと思いました」。ご近所で同じようにステロイドを断った先輩ママに相談しながら自己流で脱ステロイドに挑戦。壮絶な離脱を10日間で乗り切っています。「汁が体から驚くほど出てきました。それがすべて薬の影響なんですね」。
そこから1年経ち、なおも激しい乾燥状態から抜け出せなかった頃にオムバスと出会った中村家。その間に鷹之輔くんが生まれて初めて発した言葉は「痛い…」だったといいます。オムバスに出会うまでのご両親の不安は、とてつもなく長く深いものだったことで しょう。
そして、HRCに通い出して半年が過ぎました。痛いかゆいがいっぱい詰まっていた鷹之輔くんの体から、そうしたつらさが今、目に見えて薄れています。「『ぼく、アトピーよ』なんて自分から人に言っていることもありますが、本人は今の状態を苦にも思っていないでしょう。もしまだステロイドを使い続けていたらと思うと、今もこの先もまだまだつらい中にあったと思います」。
奇しくもあのとき医師がそう答えたように、ステロイドは「アトピーを治せるものではなく、上手に(?)付き合い続ける」ものでしかないのです。
富美夏さんは続けて、「薬に頼るのは実は簡単なことでした。時間もお金もそうかからないから。でも子供のためを考えると、とても薬に頼る気にはなりませんでした」とも振り返っておられました 。