和歌山県 大畠明子さん(43歳) |
- 薬が効かなくなっていくなんて正常じゃない。おかしさに気づけてよかった
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白い肌に穏やかな笑顔。可憐な雰囲気が
漂う明子さんは、中学生の男の子二人のお
母さん。まだ『あとぴナビ』が『湯治の
声』だった頃の97年1月号の克服レポート
にも登場しています。
実際に自宅温泉湯治に励んでいたのは 26歳の頃。「1年半くらいの湯治でほぼ治せ たように思いますね。それ以降は、もう二 度とアトピーになるのはイヤなんで、家族 全員の健康のためも考えて、食べるものに 気をつけたり、疲れたらしっかり休んだ り、睡眠を十分にとったり、お風呂も長め に入るようにしています」と、健康管理を 徹底しています。体調により、少しのかゆ みを覚えることが今もあるそうですが、 「薬を使わなくても十分コントロール できる範囲です」とも。
さて、かつてのアトピーとの闘いは、 比較的短期間でしたが、それは、ステロ イドの使用期間が3カ月程度だったこと が大きく関係しているようです。大人に なってから出始めた手への湿疹が、社会 人となって以降、激務に追われる毎日でいつしか全身へ。そ れを鎮めるためにかなり"集中的に"ステロイドを多用しまし た。ご主人の暁(さとる)さんが「よくなれ、よくな れって言いながら、自分では手の届かない ところに塗ってあげていたんですよねぇ」 と苦笑します。
「3カ月程度しか薬は使わなかったのです が、すでに効かなくなっていたんです。か ゆみは抑えられるんですが、炎症は出たま までした。おかしいなぁと思いました」(明子さん) 「薬は強くなるのにどんどん効かなくなってく るって、この状態は正常ではないと素人でも感じましたね。これは ヘンだと、なぜお医者さんのほうが気づ かないのかが不思議でした」(暁さん)。
それまで、医師や病院に不信感を持った ことはなかったという暁さんですが、明子 さんのアトピーに関しては、病院ではステ ロイドを使った治療しかしないのなら、そ れ以外の方法を探すしかないと思ったのだ そうです。
ステロイドを断って、訪れた離脱症状は 大変でしたが、薬を使用している肌は、ど んなにごまかしてもやっぱりアトピーだと わかるんですね。こうして薬に頼らないで 治してみると、普通の人と変わらない肌に 戻れるんです。そんな克服後13年間、健康 体を維持している明子さんは「離脱症状も色素沈着も、皮膚が象の ようにシワシワになったのも、すべてス テロイドの影響なんだって、塗らなきゃ よかったって本当に後悔しました。
みなさんも塗らないで」と呼びかけます。ご自分 が苦しんでいた頃とは違って最近は、『あ とぴナビ』誌上でも、さまざまな先生方 がステロイドはアトピーに使ってはダメ だとはっきりおっしゃっているのを素晴 らしいことだと歓迎しています。