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国内でもリンパ腫、皮膚がんの報告が。より慎重な対応を。
まだ日本では発売されて数年しか経過していませんので、その副作用については不明なところが多くあります。
しかし、外国では発ガンの報告も多く、アメリカのFDA(日本の厚生労働省にあたる機関)では、乳幼児に使用する場合には、他に治療の選択肢がない場合に限るという注意を出しています。
さらに、日本においても9月26日の産経新聞東京本社版において、下記の記事が掲載されました。
アトピーの新薬治療 添付文書改訂を指導
ステロイドに代わる新たなアトピー性皮膚炎の治療薬として注目されているアステラス製薬(東京都中央区)の「プロトピック軟膏(なんこう)」について、厚生労働省が「使用上の注意」(添付文書)の改訂を指導したことが25日、分かった。
厚労省は医療関係者向けの警告欄に「本剤使用例において関連性は明らかではないが、リンパ腫、皮膚がんの発現が報告されている」と記載するよう先月8日に指導。処方する際は患者や保護者に説明することを求めている。
これまで同軟膏の警告欄には、リンパ腫、皮膚がんの外国での報告例が記載されていた。
厚労省は「リンパ腫、皮膚がんの報告が国内で年1例程度寄せられているため、改訂を指導した。因果関係を特定するのは難しい」(安全対策課)としている。 |
この記事は、他のメディアにおいてはほとんど報道されていませんが、8月8日に指導があってから、約1ヵ月半後にようやく明らかになったのは驚きです。
その間、実際にプロトピックを処方された患者が、医師から同様の説明を受けているケースはあまり多くありません。
認可を受けて使用されている薬剤ですので、それなりの安全性は確保された上で発売されているとは思いますが、わずか発売数年で、毎年1例程度の発がん性が報告されているというのは、かなり深刻な問題も孕む可能性があります。
実際、このような薬剤が関連すると思われる発がん性に対しては、論文で発表されることが通例ですが、外国では多数の論文が発表されているものの、国内においてはまだそのような論文の発表はありませんでした。
しかし、論文が発表されていないにも関わらず、発ガンの報告が厚生労働省に入っているということ、さらに「因果関係が特定するのは難しい」としながらも、発ガンの発現の報告があることを実際に添付文章に明記した上で、患者にもそのことを事前に説明を求めている、ということは異例と言え、実際には相当な対象の患者が潜伏している可能性を示唆しているとも考えられます。
薬剤である以上、効果とともに副作用はつきものですが、子どもへの影響が心配ならば、医師に十分な説明を求めた上で、判断されてはいかがでしょうか?
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