春対策で悪化をストップ |
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- 春になると暖かい日が続き、日差しも強くなり、何となく心は浮き立ちますが、皮膚にとっては危険信号。お子さんの学年が変わったり、新生活のスタートという場合は、心理的ストレスも加わり特に注意が必要です。そんな春に気をつけたい、アトピー対策をご紹介します。
- 1.春先の子どもの症状悪化の原因は
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アトピー性皮膚炎(以下アトピーと略します)は、季節の変わり目の気候の変化や、環境の変化によるストレスなどに影響を受けやすいと言われています。春は気温が上がり汗をかきやすくなり、おうちのかたの転勤や転居、クラス変えなどの環境にも最も変化が見られます。
さらに、春は花粉症の季節。「思い返してみれば去年も春になると悪化していたわ。そういえば、鼻水が出ていて、風邪だと思っていたけど、もしかして花粉症?」ということはありませんか。実は、アトピーと花粉症を併発しているお子さんも多く、花粉がアレルゲンとなって、露出している部分の皮膚症状が悪化するということも多いようです。春になると風邪のような症状が続き、皮膚の状態も悪くなる場合は、花粉症を疑ってみたほうがよいでしょう。
何年か続けて春に症状が悪くなって初めて気づく場合が多く、特に乳幼児の場合は、1年中風邪をひくことが多いため、花粉症に気づきにくい場合が多いのです。
- 春のアトピー悪化 4つの原因と対策
- ここでは4つの原因を取り上げ、簡単にできる対策を紹介します。
対策をしっかりとれば、かなりの効果が期待できるはず。お子さんの様子をみながら取り組んでみてください。
- 原因1:紫外線
外線は肌の乾燥や炎症を進めるトラブルの元。夏はさすがに誰もが帽子などでなるべく紫外線を避けようとしますが、春は気温はまだ高くないので対策を怠りがちです。しかし、4月にもなると紫外線は、冬の約3倍ほど増えるのです。そのため、日中は遊びに夢中で日に当たってしまい、帰るころや家に帰ってからかゆみが増してしまうことも。
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対策:外出時には長袖、長ズボンを忘れずに
高温のサウナは自律神経を緊張させますが、低温サウナはリラックスした汗が出ます。サウナ室で呼吸しても鼻が熱くない程度の60度くらいの室温が効果的です。15分入って15分休むのを1日に4〜6回繰り返すと、体の解毒作用を高めることができます。
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原因2:汗の放置
汗をかいたまま放置するとかゆくなる!
春は衣替えの時期ですが、まだ寒い日が多く、洋服選びが難しい季節。しかし、厚着をしていると、汗をかいてしまいます。汗をこまめにふきとらずに放置していると、雑菌の温床となったり、肌への刺激が増したりと、結果、かゆくなってしまいます。
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対策:外から帰ったらシャワーを浴びる
外遊びのときには、汗をかいたときにすぐふけるように、できれば刺激の少ない濡れタオルを準備しましょう。お子さんは遊んでいると汗ばんでいても気づかないことも多いので、おうちのかたがケアしてあげます。乳幼児の場合、特に風邪を心配して厚着にさせがち。でも家の中では大人よりも1枚少ないくらい、外では大人と同じ枚数でも薄手のもので、小学生の場合は、大人よりも薄着で大丈夫です。また、外出して帰ってきたら、汗すぐに洗い流しましょう。特にわきの下、ひじ、ひざの内側、手首や腕、足の付け根、耳の後ろなど、汗がたまりやすくアトピー症状が出やすい部分は念入りに。シャワーの後はしっかりと保湿がお約束です。
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原因3:ストレス
引越しや入学などをきっかけに悪化。
春はおうちのかたの転勤や転居、入学や進級などで環境が大きく変わる季節。大人だって慣れない環境で生活するのは、大変なこと。子どもならなおさらです。
「進級して幼稚園のお友だちは変わらないけれど、教室が変わった」。大人にとっては何でもないことでも、敏感なお子さんにとっては、大変なことだったりするのです。また、両親がけんかをしているのを見ていると、子どものアトピーが悪化してボリボリ掻きだすというケースもあり、精神的ストレスはアトピーに強く影響を与えます。
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対策:家ではリラックスできるように心配りを
進級や入学などで環境が変化したときには、帰ってくる家がいつもどおり変わらない、安心してくつろげる居場所であることが大切です。転居をした場合は、早くお子さんがリラックスしてくつろげるようにしてあげましょう。さらに転勤、転居と入学などが一度に起こる場合は、もし状況が許すのならば、春休み中に引越しをして新しい家に慣れてから、新しい学校に行くのが理想です。新居に引越しをしてかゆみが出た場合、ストレスだでなく、シックハウスなどの別の要因も考えられますから注意が必要です。
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原因4:花粉
露出している肌がかゆくなる。
お子さんが小さい場合、花粉症は気づきにくいものです。花粉症とアトピーを併発するケースは多いので、春に、アトピーが悪化したり、風邪の症状が出たりした場合は、花粉症を疑ったほうがよいでしょう。
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対策:花粉症を疑い小児科で検査を
1.5月ころがスギ花粉、3.5月ころがヒノキ花粉のアレルギー症状が出ます。日本で一番多いのがスギ花粉。2番目は5.7月のカモガヤで、3番目がヒノキです。お子さんが「花粉症かな?」と思ったら、まずは小児科で相談しましょう。耳鼻科や皮膚科に行く場合には、子どもを多く診ている病院で。皮膚検査をすれば、約15分でアレルゲンがわかり、花粉症かどうかがわかります。花粉症だった場合には、血液検査をして、アレルギーの強弱を調べます。
スギ花粉症とアトピーを合併している場合は、露出している皮膚、特に顔、眼、鼻、口周辺がかゆくなって症状が悪化することが多いので、外から帰ったらすぐに手だけではなく、顔も洗います。手足などの皮膚にも花粉は付着し、そこがかゆくなったりするので、外出時には、できるだけ肌の露出を控えましょう。
- テラックスフルーツ症候群
- スギ花粉症の人が共通抗原のトマトを食べると、くちびるや口の中、のどなどがかゆくなるなどのアレルギー症状が出ることがあります。また、同じように、ラテックス(ゴム)に対してもアレルギーがある場合があることが多いことから、ラテックスフルーツ症候群と呼ばれています。スギやヒノキ、シラカンバ、ラテックスなどに含まれるアレルゲンとなるタンパク質は、さまざまな植物に含まれるため、複数の共通抗原が見つかっています。フルーツを食べると体調が悪い、ラテックス(ゴム)との接触で皮膚状態が悪化するなど思いあたる場合は、小児科で相談をして血液検査をしてもらいましょう。
- 花粉症除去対策7か条
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1.なるべく外出を控え外出時間を短くしましょう
特に、雨の日以外の気温が高く、湿度が低く、風の強い日は外出を避けます。雨の日の翌日も花粉が多くなるので要注意。外出するなら早朝か夕方以降にしましょう。
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2.外出時は肌の露出をできるだけ少なく
薄手の長袖などを上にはおるのがベスト。ズボンなら長ズボン、スカートなら長めで。
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3.外出時はマスクを着用
乳児はいやがるので難しいと思いますが、幼児以降は子ども用マスクを着用しましょう。
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4.帰宅するとき玄関の外で衣類についた花粉をはらう
薄手の長袖をはおって外出し、それを玄関の外でぬいで花粉をはらうと効果的。帰宅後はすぐに着替えます。
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5.外から帰ったらまず手、そして顔を洗う
顔がかゆくなりがちなので、外から帰ったら手だけではなく、顔も洗いましょう。入浴すると一段と効果は上がります。その後はしっかりと保湿を忘れずに。
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6.布団や衣類は外に干さない
部屋干しか、ある場合は乾燥機で。今の乾燥機には、花粉除去機能がついたものがあります。
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7.窓は開けないようにする。
窓は開けずに、ある場合は空気清浄機を利用しましょう。